丸山
東京の人気観光地・浅草に事務所がある一般社団法人日本スローモビリティ普及協会を訪問しました。スローモビリティとは、「時速20km未満で公道を走る、環境に優しい低速の電動モビリティ(乗り物)と、それを利用した移動手段」を現わす用語。日本スローモビリティ普及協会は、スローモビリティを通じて体のバリアフリーのみならず、心とコミュニケーションのバリアフリーを叶える社会作りを提唱しています。特に、心身の不調から自宅にとじこもりがちな高齢者に向けた、体の負担が少なく手軽に外出できる手段の普及を目指しています。

協会の窓口役としてお話を伺った西原基成さんによると、高齢者にとっての外出は、単に用事を済ませる目的にとどまらず、心身の健康を保つために大きな役割があるのだとか。確かに、ひとたび外出をすると、私たちは五感(視覚・嗅覚・味覚・聴覚・皮膚感覚)を使って街を歩いていることに気づかされます。街の様子を見ながら往来の音を聴き、飲食店のさまざまなにおいを嗅ぎ、店舗では商品に手を触れたり、選んだ飲食物を口に運んで味わったり…といったように、五感のすべてを使っていることが分かります。「認知症予防のカギは外出なんです」と断言する西原さんの言葉にも納得です。
日本スローモビリティ普及協会が、高齢者の外出を促すツールとして提案しているのが、「JOYカート」と呼ばれる電動カート。現在では大手自動車メーカーも参入するほど成熟している電動カート市場ですが、JOYカートは折り畳みができるコンパクトさで注目を集めています。折り畳み式ということで不安定さが心配になりましたが、いざ試乗をしてみると、なんとも快適な乗り心地!速度も調整できるので、自分好みのペースを保ちながら街乗りを楽しむことができるのです。
JOYカートは浅草の名物女将も愛用しているとのことで、街の中でJOYカートを見かけるシーンもちらほら。最近では成田空港内の移動手段として採用されるなど、新しいコンセプトの移動ツールとして需要が高まりそうです。

