365調査隊
頭痛が起こるたびに、頭痛薬を飲んでいませんか? 「薬を飲めば痛みが治まるから」と安心していても、飲み方によっては薬そのものが頭痛を悪化させる場合も……。頭痛に関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。
頭痛には2種類あり薬の連用には要注意
ちょっとした体調不良や低気圧の日など、誰しも頭痛に悩まされることがあるはずです。
あまり知られていませんが、頭痛は主に2種類に分けられます。片頭痛や緊張型頭痛など、その痛み自体が病気である1次性頭痛と、脳腫瘍やクモ膜下出血といった、ほかの病気に起因する2次性頭痛です。
頭痛は私たちにとって身近な症状の1つですが、前述のように重篤な病気のサインであるケースも考えられるため、決して軽視できません。一方で、その症状を和らげようとして服用する頭痛薬もまた、頭痛の原因になりうるのをご存じでしょうか。
「『薬剤の使用過多による頭痛』、いわゆる『薬物乱用頭痛』と呼ばれるものです。これは、『国際頭痛分類』という疾病分類の中でも明確に定義されている言葉です。つまり、薬を頻繁に使うことで脳が痛みに過敏になったり、痛みを抑えるしくみが働きにくくなったりして、かえって頭痛が起こりやすくなると考えられています」
そう解説するのは、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学・緩和医療科のアシスタントプロフェッサーの山田悠史先生です。
この〝頭痛薬による頭痛〟は、もともと頭痛の持病がある人が比較的長期にわたって頭痛薬を飲みつづけている(連用している)場合に起こりがちなもの。あるいは、喫煙者や女性、不安が強い人などに多いことも報告されていると山田先生は語ります。
「〝頭痛薬による頭痛〟を発症した場合の対処としては、原因となる頭痛薬をやめるのが根本的な治療になります。ただし、そもそも頭痛薬の連用が必要なほど片頭痛の発作があるなら、その発作を予防する治療を並行して行うことも必要でしょう。予防のための薬を服用しながら、徐々に頭痛薬の回数を減らしていくやり方を私はおすすめしています」
こうなると、安易に頭痛薬に頼るのはよくないことに思えますが、そうではありません。
「誤解しないでいただきたいのですが、ひどい頭痛がある時には、無理にその痛みを我慢する必要はありません。薬を飲んで頭痛を抑えるのは正しい行動です。しかし、連用が必要な場合は、服用の回数を少しずつ減らしたり、医師に相談したりするなどなにかしらの工夫をしましょう」
また、50歳以降に始まる頭痛は、クモ膜下出血や慢性硬膜下血腫、脳腫瘍などの2次性頭痛の可能性も考えられます。「薬物乱用頭痛だろう」と自己判断して放置すると、取り返しのつかないことになるリスクもあるのでご注意を。
山田悠史先生の著書『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』(サンクチュアリ出版)は好評発売中。


