365調査隊
体調によって変化する便——体の中で起こっている変化を示すサインとして気にするものの、実際にはどのようなメッセージがあるのでしょうか? 便に関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。
理想的な便の指標は形・硬さ・色・においの4つ
日々の排便を健康のバロメーターとして意識している人は意外と多いのではないでしょうか。軟らかすぎても硬すぎても不安になりますし、前日に食べたものによってはにおいに大きく影響することも……。
しかし、こうした便の硬さやにおいは、ほんとうに体調を示すシグナルになりえるのでしょうか? 青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック院長の金沢憲由先生に聞いてみました。
「理想的な便の条件には、4つの指標があります。まず形はバナナ状で表面は滑らか、最後まで途切れずにスルッと出る状態がベストです。次に硬さは練り歯磨き程度で、水分量が約70~80%の状態がこれに相当します。いきまなくても自然に出る軟らかさがいいですね。さらに、色は黄土色から茶褐色がベターで、腸内環境が善玉菌優位に保たれているとより明るい黄色に近くなります。最後ににおいですが、きつくなく、わずかな酸味臭を伴う状態であれば健康的といえるでしょう」
金沢先生によれば、60代以降に多いのは、硬くて小さな〝コロコロ便〟や残便感のある〝細い便〟なのだそう。
「加齢に伴って腸の蠕動運動が緩やかになると、便が腸内に滞留する時間が長くなります。その間に腸内で便の水分が過剰に吸収されるため、まるでウサギのふんのようなコロコロとした硬い便になりがちです。また、腹筋が衰えてくると便を押し出す力が弱まったり、直腸の感覚が鈍くなったりすることで、一度に排出しきれず、細い便が少量ずつ出るケースが増えます」
なお、急に便が細くなったり、慢性的にしっかり出しきった感覚が得られなかったりする場合は、単なる加齢の問題だけではなく、「大腸の通り道が腫瘍などで狭くなっている可能性も考えられます」と金沢先生は警鐘を鳴らします。このほか、病気を示すサインとしては、便の色に注目することも大切です。
「例えば、黒い便が認められる時は、食道や十二指腸などの上部消化管で出血があり、血液中の鉄成分が胃酸と混ざって酸化しているかもしれません。その場合は、胃がんや十二指腸がんのリスクを疑う必要があるでしょう。また、赤い便はいわゆる血便で、主に下部消化管(小腸や大腸、肛門)からの出血によるもの。単なる痔であるケースもあれば、大腸がんや大腸ポリープ、大腸炎といった疾患によることもあるので要注意です」
さらに、白っぽい便が出た場合は、便を茶色にする胆汁が腸に流れていないサイン。胆管がんや膵臓がんのリスクも考えられるので、早めに医師の診断を仰ぎましょう。


