365調査隊
初期には自覚症状がほとんどないため、気づかない人が約9割にも上るといわれる緑内障。薬物療法で眼圧を下げるのが治療の基本ですが、食事による栄養で予防ができるといううわさも……。緑内障に関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。
青菜による効果は示唆の段階で今後に期待
加齢とともに病気のリスクは高まるばかり。緑内障もその1つです。
緑内障とは、視神経に障害が起こり、徐々に視野が狭くなる進行性の目の病気のこと。日本では中途失明の原因のトップとされながら、いまだに治療法が確立されていないのが実状です。海老名駅前眼科の早川卓浩先生に詳しく聞いてみました。
「緑内障の原因としては、房水(角膜と水晶体の間を満たす液体)の流出抵抗による眼圧の上昇や、視神経の脆弱性などが指摘されてはいます。しかし、それによってなぜ視神経が障害されるのかというメカニズムについては未解明で、非常に不明な部分の多い病気といえます」
そもそも緑内障は、複数の因子が関与する症候群的な疾患であり、先天性のものや、他疾患や薬剤が原因となる続発性のものなど、複数のタイプが存在するのだそう。
さらには、隅角(角膜と虹彩の間にある房水の排出口)の形状に起因するものもあり、「それぞれ発症のしくみが異なります」と早川先生は語ります。
「なお、日本人に多いのは眼圧が正常値でも進行する、正常眼圧緑内障というタイプです。やはり原因を1つに絞れないことから、原因を排除する治療ではなく、進行を抑制することに焦点が置かれているのが現状です」
そんな中、時折耳にするのが「青菜が予防に効く」といううわさ。事実なら予防したい人にとって光明といえますが……。
「残念ながら、青菜など食生活から緑内障を予防できるとする明確なエビデンス(科学的根拠)は、今のところ示されていません。ただ、ハーバード大学の研究には、主に葉物野菜由来の硝酸塩摂取量が、緑内障のリスクを低下させる可能性を示唆するものもあります。硝酸塩を多くとることで緑内障が抑えられるという因果関係が確認されたわけではありませんが、今後の研究に期待したいですね」
いずれにしても、あくまで予防の可能性を論じるもので、緑内障発症後の治癒につながるものではないことは重要なポイント。発症後は「眼圧を下げることが唯一、確実な方法」と早川先生はいいます。
「点眼薬などで眼圧下降治療を継続することが大切で、それとあわせて、視野検査による進行速度のモニタリングと、必要に応じた治療の強化がなによりの対策です。また、生活面では、ストレスや喫煙、体位への配慮が推奨されています」
日常的な体位では、眼圧を抑えるには寝た状態よりも座った状態、うつ伏せよりも横向きの状態が望ましいとのこと。ぜひ参考にしてみてください。


