丸山
平戸つる草という植物をご存知ですか？『健康365』では、10年近く前に初めて特集を作った人気企画で、今も掲載のたびに反響をいただいています。
平戸つる草は長崎県平戸市で栽培されている植物で、抗酸化・抗炎症・抗糖化作用が研究によって確認されているスーパー植物なのです。
現在も続く平戸つる草の最新研究の一つに「グルテン反応の阻害作用」があります。
グルテンは、パンや麺のモチモチ・シコシコとした食感に欠かせないたんぱく質の一つ。
たこ焼きやお好み焼きといった「粉もの食品」のうまさの決め手になる要素ともいえますが、多くの研究によって、腸の炎症を引き起こす原因が指摘されるようになっています。
そのため、健康意識の高い人の中には、小麦の摂取を控える「グルテンフリー食」を実践しているケースもあるほどです。
今回の取材先は、平戸つる草のエキス入りのパンを作った、榎戸恵浪さん。
東京都奥多摩町で「山のぱ～ん屋 森のダンス」というパン店を営んでいる榎戸さんは、平戸つる草の研究結果を知って即行動。
平戸つる草のエキスが入ったパンを開発してしまったのです。
実際に榎戸さんにお会いしてみると、感性を大切にしながら直感を信じてすぐに行動に移すアクティブなお方とお見受けしました。
開業前は派遣社員をされていたそうですが、お店の開業は勇気がいりますし、成功させるのは至難の技。
素人の私が考えても大変そうな飲食店の経営を、パン店だけでなく肉メニューを中心としたレストランも18年前から続けていらっしゃるのです。
榎戸さんのバイタリティーと明るさに圧倒されつつ、実際に平戸つる草入りの食パンを試食……モッチリしていて超うまい！
自称・味オンチの私ですが、明らかに初めて味わうパンの食感です。
グルテンが作り出すモチモチ感をしっかり楽しみながら、反応の阻害作用の恩恵もいただけるのはうれしい限り。現実的には、パンを食べた際のグルテン反応の阻害率のほどは未知数ですが、パンを食べたお客さんの反応は抜群でリピーターも多いとのこと。
平戸つる草によって生まれるパンの健康効果については、今後の展開を期待したいと思います。もしかすると、榎戸さんのパンが世界のパン事情を大きく変えるきっかけになるかもしれません。
