小学3年で白斑を患いコンプレックスを抱いたがメイクの力で前向きになれた
カモフラージュメイクとは、皮膚の変色を引き起こす白斑・母斑・アザ・手術あと・血管腫・傷あと・入れ墨などを隠すメイクアップ技術です。皮膚が変色し、さらに患部が服で隠せない場所にあると、患者さんはストレスを抱えて生活の質(QOL)が著しく低下します。
私たちメディカルメイクアップアソシエーション(MMA)は、皮膚の変色に悩んでいる方々に、カモフラージュメイクの一つとして「メディカルメイクアップ」を紹介しています。MMAは、2001年に設立された特定非営利活動法人(NPO法人)です。
皮膚に変色がある人は、周囲の視線が気になって行動が消極的になったり、コンプレックスを抱えて自分の患部を見るのも苦痛になったりしています。私も白斑を発症した当時は、つらい時期を過ごしました。
私が白斑を患ったのは、小学3年生のときです。顔の左側に皮膚の失色が現れました。幸い周囲は変わりなく接してくれたものの、皆と違う皮膚を見るたびにコンプレックスを抱いていました。
精神的な苦痛を和らげてくれたのが、メディカルメイクアップでした。中学時代にメイクアップを知った私は、技術を覚えるにつれて周囲の視線が気にならなくなり、前向きになれたのです。
自分と同じように皮膚の問題で悩む人たちの助けになりたいと思ってMMAに参加した私は、メディカルメイクアップの指導を通して多くの人と接するようになりました。患者さんがMMAに来るきっかけは、医師のすすめや雑誌の記事、インターネットを使った検索などさまざまです。メディカルメイクアップを知ったものの勇気が出ず、何日も悩んでやっと連絡したという方も少なくありません。
私がいちばん印象に残っているのは、60代の方です。長年にわたって抱えていたコンプレックスのためか、最初は無口でした。ところが、メディカルメイクアップによって皮膚の変色がわからなくなったのを見て喜び、表情が柔らかくなりました。その方は定期的にMMAに足を運んでくださり、いまではプライベートなご家族のお話までしてくださるようになりました。「ここに来ると元気が出る」といわれたときはうれしかったです。
別のインストラクターから、家族でMMAに来られた方の話を聞きました。小学校低学年の女の子に起こった白斑に、ご両親も胸を痛めていたそうです。メディカルメイクアップを施すと、女の子は「隠れた、隠れた!」と大喜びし、家族の方々も笑顔になったと聞いています。
カモフラージュには専用の化粧品が使いやすく素材の柔らかい服がよい
カモフラージュメイク用に、メーカー各社が専用の化粧品を発売しています。一般的な化粧品と比べて値段に大きな差があるわけではないので、活用するといいでしょう。
メディカルメイクアップは落ちにくいように仕上げますが、より長持ちさせるためにメイクした部分をできるだけこすらないように注意しましょう。メイクアップをした部分にふれる衣服は、摩擦をさけるためになるべく柔らかい素材のものを選びましょう。
今回は、白斑をカモフラージュするメディカルメイクアップをご紹介します。よりくわしく知りたい方は、下記の連絡先に問い合わせをしてください。
特定非営利活動法人メディカルメイクアップアソシエーションの連絡先は、
〒104-0061 東京都中央区銀座3-8-13 銀座3丁目ビルディング 0120-122-042です。
※メディカルメイクアップに関すること以外のお問い合わせはご遠慮ください。