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シャンプーのしすぎで頭皮の環境が悪化!ぬるま湯「ノーシャンプー」で医師の私もフサフサの髪によみがえった

皮膚科
医療法人社団セレス理事長 元神 賢太

20代後半から悩んだ薄毛がシャンプーを使わずに洗髪したら3ヵ月で増毛を実感

[もとがみ・けんた]——1999年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学病院勤務。2003年、船橋中央クリニック院長。2013年1月、青山セレスクリニック設立。現在、青山セレスクリニック東京青山院、船橋中央クリニック、青山セレスクリニック埼玉川口院を展開。著書に『専門医が徹底解説!女性の薄毛解消読本』(幻冬舎)がある。

古くから〝髪は女の命〟といわれており、女性にとって薄毛は深刻な問題です。女性だけではなく男性も、薄毛にならずにフサフサの髪を維持したいと切実に願っています。

実は私も、薄毛に悩んでいた時期がありました。20代後半から周囲に薄毛を指摘されるようになった私は、30代の半ばにプールでの自分の写真を見て言葉を失いました。水にぬれて頭に張りついた自分の髪が薄く、愕然としたのです。

薄毛治療や食事・運動などの生活習慣の改善とともに、私が始めたのが「ノーシャンプー」です。シャンプーの問題点は、皮脂の落としすぎです。シャンプーの洗浄力は強力で、頭皮の皮脂を洗い落としすぎてしまいます。

皮脂は汗と混ざって薄い膜を作り、空気中の汚れや細菌、紫外線の刺激から頭皮を守っています。皮脂を取りすぎると、不足分を補おうとして皮脂腺の活動が活発になります。すると本来、髪に使われるべき栄養までが皮脂腺に奪われることになるのです。皮脂が増えること自体も頭皮に炎症を起こし、細胞を傷つけてしまいます。

シャンプーだけでなく、洗髪の頻度も大切です。最近では1日に何度も髪を洗っている人が増えています。洗髪のしすぎは皮脂の落としすぎにつながるので、1日1回にとどめましょう。シャンプーのすすぎ残しも頭皮に雑菌が増え、皮脂の過剰発生につながります。洗髪後は、しっかりと洗い流すようにしてください。

before,after

シャンプーを使わずにお湯だけで髪を洗えば、皮脂を過剰に落とさずにすみます。私はシャワーのぬるま湯を髪に当て、手ぐしの要領で汚れを落とし、頭皮は指の腹で優しくマッサージしています。

シャンプーを使用しなくてもていねいに洗えば、お湯だけでほとんどの汚れを落とすことができます。私の場合、3ヵ月ほど継続したところ、増毛を実感できました。お湯だけで洗髪すると、初めは頭皮にかゆみを感じるかもしれません。急に切り替えるのではなく、初めは週に2〜3回シャンプーを使用し、徐々にお湯だけの日を増やしていくといいでしょう。

ブラッシングには髪の保湿効果があり頭皮の皮脂が毛先に届き髪に潤いを与える

髪に優しいケアのポイント

洗髪後は、ヘアドライヤーでしっかり乾かしてください。髪や頭皮をぬれたまま放置すると雑菌が増え、皮脂をエサにしてさらに繁殖します。ヘアドライヤーの熱は髪の負担になると考えがちですが、頭皮に近づけすぎなければ問題ありません。

ブラッシングも髪を健康に保つうえで大切です。ブラッシングは、髪についたホコリや汚れを落とすだけでなく、頭皮付近にとどまっている皮脂を毛先にまで行き渡らせる効果があります。皮脂は髪を保湿して、潤いを与えてくれるのです。

ブラッシングをするときは、頭皮を傷つけないよう注意してください。頭皮にブラシを直接当てるのではなく、髪のみをブラッシングするようにしましょう。使用するヘアブラシは、摩擦が起こりやすいプラスチック製のものはさけて、柔らかい獣毛ブラシを選びましょう。

髪をいたわるには、外側からだけではなく、食事を中心とした体の内側からのケアも大切です。髪の材料となるたんぱく質は十分な量をとる必要があります。頭皮の環境を整えるパントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB1も欠かせません。女性ホルモンと同様の働きをする、大豆イソフラボンもおすすめです。

髪のケアや栄養面に注意すれば、薄毛の改善は大いに期待できます。薄毛に悩むよりもまず、手軽にできるノーシャンプーから始めてみましょう。薄毛を専門としている医療機関であれば、より一人ひとりに適した助言が可能です。早めの受診をおすすめします。