プレゼント

心的回転を生かした「テーブルセッティングクイズ」

Dr.朝田のブレインエクササイズ!

メモリークリニックお茶の水理事長 朝田 隆

食器やカトラリー(フォークやナイフ、スプーン)をルールに沿ってテーブルの上に並べるテーブルセッティングは、脳を刺激するブレインエクササイズに生かすことができます。今回は、図を脳内で回転させる〝メンタルローテーション〟をテーマにした問題です。

脳内で図形を回す〝心的回転〟は角度が増えるほど難易度が上昇する

[あさだ・たかし]——筑波大学名誉教授。1982年、東京医科歯科大学医学部卒業。同大学神経科、山梨医科大学精神神経科講師、筑波大学精神神経科学教授などを経て現職。数々の認知症の実態調査に関わった経験をもとに、認知症の前段階からの予防・治療を提案している。著書に『その症状って、本当に認知症?』(法研)など多数。

テーブルセッティングでは、食器やカトラリー(フォークやナイフ、スプーンなど)をルールに沿ってテーブルの上に並べ、その位置と向きをどの座席に座っても同じにする必要があります。実際にテーブルの前に立ち、個々の食器やカトラリーの位置・向きを考えるのはもちろん簡単ですよね。今回の問題のように、絵を全体的に見渡しながら「どこに、どっち向きに置いていけばいいのか?」と脳内でシミュレーションすると、脳に刺激が与えられて活性化させることができます。

この連載をいつも読んでくださる読者の方ならお気づきになったかもしれませんが、これはメンタルローテーションの問題です。簡単に復習すると、メンタルローテーションは日本語では〝心的回転〟といいます。頭の中で図形を回転してイメージする能力のことで、回転した図形が元の図形と同じかどうかの判断は、回転する角度が増えるほど難しくなります。つまり、回転する角度が60度、90度と増えるほど、比較することが難しいといわれています。

脳科学的には、メンタルローテーションの能力の大部分を右大脳半球(右脳)がつかさどるとされています。右脳は空間内にある物体の場所・向き・大きさ・姿勢・形・速さ・物体どうしの位置関係などを素早く正確に認識する力である空間処理能力にも関わっています。また、メンタルローテーションには運動や触覚の情報も重要なことが分かっています。

テーブルセッティングクイズ

答えは次ページです。

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