メモリークリニックお茶の水理事長 朝田 隆
私たちが一つの課題に向き合う時、脳の中では複数の領域が刺激されています。今回は、多くの文字の中から一つの単語を探す問題。脳内ではどのような処理が行われているのでしょうか。
単語を思い出す言語能力と注意力、図形の回転・鏡像まで網羅した問題に挑戦
世の中に「宝石」と呼ばれる石は多くありますが、皆さんはどのような種類の宝石が好きですか? 左の図をご覧ください。宝石の名前を連想させるカタカナが並んでいます。今回は、散らばっているカタカナ文字の中に隠された宝石の名前を見つけ出す問題です。偽物に惑わされずに、本物の宝石を見つけ出すことはできるでしょうか。
宝石探しクイズ
下の図にあるカタカナを正しく組み合わせて作られる宝石の名前はなんでしょうか?
今回の問題を脳機能の視点から考えると、多くの種類の宝石から特定の宝石を思い出す「意味の語想起」をするために、言語能力と注意力が求められます。最初に宝石というテーマが提示されたことで、皆さんの脳内では、図の中にある数多くのカタカナの中から、いくつもの宝石の名前が浮かび上がったことでしょう。
意味の語想起は、認知症のテストとして知られる「長谷川式認知症スケール」にも採用されています。今回の問題は、一つの分類から具体的な宝石の名前を思い出せばいいと、一見簡単そうに感じるかもしれませんが、実はそこが落とし穴です。
宝石の名前を思い浮かべるだけでは不十分です。「分かった!」と頭に浮かんだ宝石の名前を表すカタカナがほんとうに存在するのか、もう一度、図をじっくりと見てみましょう。
宝石の名前を一つひとつ確認するには注意力が必要です。しばらく問題の図を見ていると、答えがいくつもあるように思えてくるかもしれません。「簡単そうに見えるけど、なにか問題がありそう!」と思うのが正解への第一歩です。
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