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脳がだまされやすい「図」と「地」のクイズ

Dr.朝田のブレインエクササイズ!

メモリークリニックお茶の水理事長 朝田 隆

高齢者の約3割が予備群といわれている認知症は、誰にでも発症する可能性があります。「物忘れが増えた」と不安を感じたら、できるだけ早く対策を取ることが大切です。この連載では、認知症の予防に役立つトレーニングを、認知症研究の第一人者として知られる朝田隆先生にご紹介していただきます。

図と地の概念は神経心理学に古くからある概念でルビンの壺が有名

[あさだ・たかし]——筑波大学名誉教授。1982年、東京医科歯科大学医学部卒業。同大学神経科、山梨医科大学精神神経科講師、筑波大学精神神経科学教授などを経て現職。数々の認知症の実態調査に関わった経験をもとに、認知症の前段階からの予防・治療を提案している。著書に『その症状って、本当に認知症?』(法研)など多数。

今回のテーマは、神経心理学に古くからある〝図〟と〝地〟の概念です。1つのイラストの中の、ある物がほかの物を背景として浮かび上がって明確に知覚されるとき、前者を図といい、後者を地といいます。一般的には「だまし絵」や「トリックアート」などに使われる概念です。

だまし絵の中でも有名なものに「ルビンの(つぼ)」というイラストがあります。一見『壺』のイラストなのですが、背景に注目すると『向き合った二人の横顔』にも見えるという特徴があります。いったん『壺』を図として認識すると、『二人の横顔』は地となります。

人間の脳は不思議なもので、図を認識してしまうと、他は視界に入っても認識できなくなってしまうのです。ルビンの壺でも、二人の横顔を図として認識すると、壺は地となって意識できなくなってしまいます。図と地を別に認識する点としては、図には実在感を覚えやすく、地には漠然として実在感を覚えにくいといわれています。

「ルビンの壺」の一例

クイズ:魚と泡のイラスト

ではここでクイズです。下の魚と泡のイラストを見てください。魚が何匹いるか分かりますか? 4匹と答えた方は、残念ながら間違いです。

今回のテーマである図と地を意識して逆転してみてください。黒いほうの魚を背景として意識しようとすると、正解が浮かび上がってくるかもしれません。さらにヒントを挙げるとすれば、イラスト全体に広がる泡。黒い魚の目と同じ形になっているのはお気づきでしょうか。

泡のうちのどれかは、黒い魚とは別の魚の目になっています。泡に注目することで、規則性が見えてくるかもしれません。目にならない泡を消すと、もっと簡単な問題だったかもしれませんね。

答えは次ページです。

朝田隆先生が診療されているメモリークリニックお茶の水の連絡先は、
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