メモリークリニックお茶の水理事長 朝田 隆
今回のテーマ「縦横」は、以前ご紹介した「図と地」と「心的回転」を組み合わせたものです。脳にとてもいい刺激になるので、ぜひ取り組んでみてください。視点を転換させることが大切です。
画像を違う視点で見る力を強化する「図と地」「心的回転」の難問に挑戦しよう
ホームセンターに買い物に行った際、足元に上のイラストがあったら何を売っているコーナーだと考えられるでしょうか。「①工具用品」「②家具」「③トイレ用品」の三つのうちどれかが正解です。
今回のテーマは「縦横」です。以前ご紹介した「図と地」「心的回転」という二つのテーマを合わせた応用問題です。心理学用語で、ある物がほかの物を背景として全体の中から浮き上がって明瞭に知覚されるとき、前者を「図」、背景となる後者を「地」といいます。いったん図として認識すると、その他は視界に入っても認識できなくなってしまうのです。「ルビンの壺」の一例をご覧ください。一度壺と認識すると、「二人の横顔」と認識することは難しくなります。
「心的回転」とは、頭の中で図形を回転させてイメージする能力のことをいいます。「メンタルローテーション」ともいい、回転する角度が大きくなるほど難しくなります。
さて、イラストや写真などの画像の上の部分を「天」、下の部分を「地」と呼びます。人から渡された写真を見て、天地が逆転していることにしばらく気づかなかったという経験をしたことはないでしょうか。
上のイラストですが、メジャーのような測定機械の一部と思う人が多いようです。ところが、同じ絵を横向きにして見ると、今度は側面から見たトイレットペーパーとそれを支える金具に見えるようになります。
「ルビンの壺」の絵では、白と黒のどちらを図と見るかで見えるものが違います。今回のテーマである「縦横」は、縦か横かで認識するものが変わるというもの。いまでは上のイラストは、トイレットペーパーにしか見えないのではないでしょうか。私たちは、見慣れているものを正しいと信じる傾向があるのかもしれません。
さて、次の絵をご覧ください。何が描かれているか分かるでしょうか。まずは絵を動かさずに、頭の中でぐるぐると回転させてみましょう。画像心理の世界では、顔写真を逆さまにすると、誰だかを認識することが難しくなるといわれています。顔の形、大きさ、位置関係などは同じでも、顔の写真を回転させられるとよく知った顔でもすぐには分からなくなるのです。
何が描かれているでしょうか
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