脳科学研究に不可欠な迷路の進化版「三次元迷路」を楽しもう! 

Dr.朝田のブレインエクササイズ!

メモリークリニックお茶の水理事長 朝田 隆

古くは紀元前から人々を楽しませてきたという迷路。実は、脳科学の研究でも動物実験に活用されています。今回は奥行きまで加えた「三次元迷路」に挑戦し、脳の活性化を行いましょう。

ギリシャ神話にも登場する迷路は動物実験にも使用され脳の側頭葉を刺激

[あさだ・たかし]——筑波大学名誉教授。1982年、東京医科歯科大学医学部卒業。同大学神経科、山梨医科大学精神神経科講師、筑波大学精神神経科学教授などを経て現職。数々の認知症の実態調査に関わった経験をもとに、認知症の前段階からの予防・治療を提案している。著書に『その症状って、本当に認知症?』(法研)など多数。

迷路がどういったものなのか、知らない人はいないのではないでしょうか。日本では1980年代に巨大迷路が大ブームを巻き起こしましたが、古くはギリシャ神話にも記述が見られます。迷路は紀元前から人々に愛され、脳科学の分野でも古くから注目されてきました。

迷路は古くからラットを使った動物実験などで用いられてきました。迷路を解くうえで重要なのは、脳の海馬(かいば)を中心とする側頭葉(そくとうよう)の内側だといわれています。脳の働きについての調査や脳機能向上を図る方法を調べるため、数え切れないほどの動物が迷路に挑戦してきたのです。

迷路が実験に活用される目的は、空間情報に関する記憶力や視空間能力の測定にあります。例えば、迷路のどこかにエサを隠しておき、ラットを中に放します。ラットは試行錯誤の末にエサにたどり着きます。実験では、エサの場所にたどり着く効率を調べます。どれほど効率的に迷路を攻略できるか——つまり、方向感覚を学習する基礎を見るために迷路が使われているのです。

動物実験に使われる迷路は、複雑な形のものからT字やY字の簡単な形をしたものまでさまざまです。目的によっては、迷路に水を注ぎ込んで動物に泳いでもらう場合もあります。

迷路というと、筆者には知能テストに近いというイメージがあります。実際、小学校でも迷路解きや迷路描きが、算数の教材として使われることもあります。また、高齢者の脳トレでも迷路は頻繁に利用されています。

さて、次の画像をご覧ください。皆さんが頭に思い描く迷路は、平面的な迷路ではないでしょうか。今回は、奥行きまである三次元の迷路に挑戦してみましょう。

迷路の一例

今回の問題を解くために、大きなヒントをお伝えしましょう。ポイントは、出口から考えることです。まず、モグラの位置を確認します。そのうえで、どう進んでいくとモグラが地上に出られるのかを考えてみましょう。すると、意外なほど簡単に答えが分かるはずです。

出口が分かったら、今度は入口を見つけましょう。入口の方向に向かって指先で迷路を追っていくようにすると、正解が見えてきます。三次元の迷路と二次元の迷路が異なるのは、道が立体交差している箇所があるところです。

一般論として、迷路の問題の難易度を決めるのは「スタートとゴールの位置」「分岐点の数」「長さ」の三つの要素といわれています。今回の迷路の難易度は、皆さんにとってどの程度だったでしょうか。

三次元迷路

迷路の中にモグラがいます。モグラを追い出すには、①~③のどの穴から水を入れたらいいでしょうか。また、Ⓐ~Ⓒのどの穴からモグラは出てくるでしょうか。

答えは次ページです。

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