プレゼント

頭も雑誌も大回転!「四つの鏡像」で根気も強化

Dr.朝田のブレインエクササイズ!

メモリークリニックお茶の水理事長 朝田 隆

鏡に映った像は「鏡像」といい、「線対称」に映ります。一つの鏡像だけならまだしも、二つ、三つと現れると頭が混乱するかもしれません。今回は、注意力と視空間内の比較力を問う鏡像を使った問題です。実はいちばん必要なのは、あなたの根気かもしれません。

鏡像の問題は注意力と視空間内の比較力が必要で長時間の問題に取り組む根気も大切

[あさだ・たかし]——筑波大学名誉教授。1982年、東京医科歯科大学医学部卒業。同大学神経科、山梨医科大学精神神経科講師、筑波大学精神神経科学教授などを経て現職。数々の認知症の実態調査に関わった経験をもとに、認知症の前段階からの予防・治療を提案している。著書に『その症状って、本当に認知症?』(法研)など多数。

今月のテーマは間違い探しです。ただし、普通の間違い探しではなく、四つの「鏡像」を見ながら間違い探しをしてもらいます。早速、問題を解いてみましょう。

私たちは日常生活を送る中で、鏡像をいたるところで目にすることができます。とはいうものの、「あれーっ? 難しい!」と感じることがありませんか?私の場合は、鏡像の中にもう一つ、さらには複数の鏡像が入り込んでいると難しく感じてしまいます。

鏡像になっている画像を確認していくうえでの重要なポイントは、「鏡像は線対称に映る」と認識できるかどうかです。正解を得るには、一つひとつの鏡像を上下・左右と見比べながらチェックしていかなければなりません。鏡像を見比べながらチェックしていく工程の中で、脳科学的には、注意力はもちろんのこと、左右や上下といった視空間内の比較力などが必要になるでしょう。

実際に、鏡像の問題を解いていく際は、注意力や視空間内の比較力だけでなく、戦略も必要になります。「違う部分はここかな?」といったように、間違いのある場所を予測すること、つまり一種の推理力が問題解決の出発点になるかもしれません。今回の出題を例にすれば、体の部位や衣類、履物などが該当します。

実際に私が鏡像の問題に挑戦した時、最も難しいと思ったのは、正解を探し出すまで注意力を持続させることでした。簡単に見つからないと、根気が続かなくなり、「まあいいか……。ところで答えは何?」と考えるのを放棄してしまうのです。そう考えると、鏡像の問題を解くうえで最も大切なのは、「絶対に解くぞ!」というやる気や意欲なのかもしれません。やる気や意欲が落ちてきた時、私は30分ほどの散歩や買い物に出かけます。体に心地よい疲れがあると、かえって意欲や思考力が上がるという体験をしてきたからです。

四つの鏡像

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