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ツルレイシの可能性を追いつづける“平戸の快男児”の一代記!

著者インタビュー

長島 孝樹さん

[ながしま・こうき]——長崎県平戸市生まれ。20代の南米留学時代に立ち寄ったエクアドルのビルカバンバ村で、ツルレイシの原種と出合う。帰国後、不動産会社勤務を経て独立。類まれなる発想と戦略で不動産事業を成功させるも、バブル崩壊ですべての財産を失う。裸一貫から始めたホットドッグ店の経営を経て、ツルレイシの研究を開始。現在は大学や医療機関、施設との連携で平戸産ツルレイシの研究を進めながら、平戸市における地域振興のキーパーソンとして活動。2021年6月に初の著作となる『つる草の力を見つけた男』(エイチアンドアイ)を出版。

365カレッジ編集部:『つる草の力を見つけた男』がついに発売されました。おめでとうございます!

長島:ありがとうございます。この本の企画は2020年春から動き始めて、秋頃に発刊できたらと考えていたのですが、コロナ禍で身動きが取れず、実際、私も九州から東へ移動できませんでした。それがようやく1年越しで世に出ることとなったわけです。ただ、この期間に久留米大学病院や大阪国際がんセンターとの臨床共同研究が始まったことなど、新しい動きも書き加えることができましたから、“災い転じて福となす”といったところでしょうか。

365カレッジ編集部:「私が信じられる人間かどうか、これからの話を参考にして判断してほしい」。第1章の冒頭で書かれた力強い言葉に引き込まれました。

長島:本を1冊書くなんて生まれて初めての経験でしたから、何を書いたらいいのか見当がつきませんでした。でも、私が見つけた宝物「ツルレイシ」の力は、必ず多くの人の役に立つ“本物”であるという自信があります。「ツルレイシの力をより多くの人に知っていただき、その力を試してもらいたい」という願いも本物です。この自分の思いの強さにはゆるぎないものがあるのですが、私自身は世間では全く無名の存在でしかありません。ですから、まずは皆さんに私自身がどんな人間であるか知っていただくことで、ツルレイシの力を試そうかどうか、判断される際の参考材料にしていただこうと、見苦しいかもしれませんが自分の半生をさらけ出しました。

365カレッジ編集部:「寿司職人を目指して家出」、「いきなりメキシコに留学して、エクアドルのビルカバンバ村でツルレイシの原種と出合う」、「奥様との駆け落ち先を探すために、自転車で平戸から湘南の逗子まで走る」、「別荘地の開発で大成功。バブル時代の絶頂を極めながら、一転して崩壊。裸一貫から出直して、ある秘策を胸にホットドッグ店を立ち上げる」……とんでもなく濃い人生模様が続々と出てきますが、これは事実なのですか?

長島さんは平戸産ツルレイシの栽培特許を取得している

長島:はい。虚飾抜きにできるだけ誠実に書いたつもりです。決して自慢できるような半生でないことは、じゅうぶん承知しています。原稿を書くために自分の半生を振り返ってみると、小さい頃からずっと「自分の手で作ったもので、皆さんに喜んでもらいたい』という気持ちと、「なんでも試してみよう」という前向きな精神を持っていることは変わっていません。あとは、「自分の体を使って働くこと」も大切にしています。

ですから、ツルレイシの栽培を始めたときも、自分一人でやりました。もちろん、農学の研究をしている親友から助言をもらうこともありましたが、基本的には自分一人ですべてやりますね。当時は資金がなかったこともありましたが。どんなビジネスをしていたときも、いつも自分で調べ、頭と体を使って工夫しながら失敗や成功を重ねました。同時に、常に最終ゴールとしての「相手の笑顔」と、それのお返しとして「収益を上げる」ための手を考え、打ってきました。いつだって闇雲に取り掛かっているわけではないんです。ツルレイシのときもそう。植物の育成栽培については、まったくの素人だったわけですが、「これはいいビジネスになりそうだぞ」という直感を裏づけたのが、なんといっても“エクアドルの桃源郷”といわれ、当時は100歳以上の高齢者が元気に暮らしていたビルカバンバでの体験です。

ツルレイシの葉は手のひらのような形が特長

365カレッジ編集部:でも、20代前半で行かれた後、20年以上も忘れていたんですよね?

長島:20代は健康や長寿について、あまり考えないじゃないですか。私がビルカバンバ村にツルレイシの種があったことを思い出したときは、人生の中でいわばどん底に近い状態でした。バブル崩壊で多額の借金を抱えて事実上の倒産。資産と信用を失い、たった一人で立ち上げたホットドッグ店の“秘策”も、目前で泡と消え…。自宅も差し押さえられたけど、家族5人、何とか生きていかなければならない…。追い詰められていたときだからこそ、驚きの連続だったビルカバンバ村の体験を思い出したのかもしれません。もちろん、当時、ゴーヤ(ツルレイシ)を原料にしたサプリメントが市場に現れはじめていたことも、ビジネスのきっかけになりました。

365カレッジ編集部:ツルレイシの実ではなく“葉”に注目された理由は?

長島:ゴーヤの実にはキニーネという有毒な成分が含まれているので、食品にするためには除去しなければならかったからです。それに何といっても、強烈なビルカバンバ村での実体験です。私自身、ビルカバンバ村に滞在中、激しい腹痛に襲われたのですが、葉っぱをすりつぶしたものを飲んだら、翌朝すっかりよくなっていたんです。大火傷をした子どもの傷口にすりつぶした葉を塗ったら、数日後にはほとんどケロイドもなく、治まっていたことを見ています。

365カレッジ編集部:ツルレイシの葉は独自に栽培していると伺いました。

長島:「私がツルレイシの研究に取り組んでから、エクアドルで農業をしている知人に電話で現地の様子を問い合わせたことがあったんです。知人の話では、ビルカバンバ村は市街地化されて、かつて長寿の村といわれた姿は失われてしまったそうです。平均寿命も60歳代まで下がり、環境破壊も進んでいるとのことでした。知人は「ツルレイシは絶滅しただろう」といっていましたが、かえってやる気が湧いたんです。「ビルカバンバ村のツルレイシの力は私だけが知っている。だからこそ、私がツルレイシの力を再現して力の源を究め、世の中に広める役割がある」と思ったんです。

365カレッジ編集部:ツルレイシの力は、どのような方に試していただきたいとお考えですか?

認知症治療薬のアリセプトを開発した同志社大学の杉本八郎教授も平戸産ツルレイシを研究する一人

長島:最初に医療関係者に評価されたのが皮膚に対する働きでした。ツルレイシには抗炎症作用と抗ヒスタミン作用があります。さらに、皮膚の線維芽細胞を使った実験では、細胞の活性作用があることも確認されています。予想もしていなかったのが、認知症に対しても結果が出はじめていることです。2016年に福岡県の老健施設が1年間にわたって試してくださったところ、ツルレイシをとった方々の下痢や便秘が治まり、睡眠時間も長くなって心の安定がもたらされたそうです。さらに、認知機能の程度を調べる長谷川式スケールの結果では多くの方に改善が見られて、施設の職員さんたちがびっくりされていました。この結果を、認知症治療薬の研究者として世界的に知られる同志社大学の杉本八郎先生にお見せしたところ、『これが本当だとすると、大変なことですよ』と評価され、杉本先生の研究チームと共同研究を始めることになったんです。2021年1月からは、久留米大学高次脳疾患研究所と久留米大学病院との共同研究として、認知症に関する臨床試験が始まっています。ほかには、ストレス軽減効果に関する研究も、徳島大学大学院と産業大学院のチームによって進行中で、自律神経系の活性化や脳の側坐核と前頭葉眼窩皮質の神経活動が高まることが確認されています。

抗がん剤の副作用を抑制する研究は、京都大学、徳島大学、大阪国際がんセンター(地方独立行政法人大阪府立病院機構)、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構と合同で、2021年に開始されました。抗がん剤の副作用を抑制する研究はまだ始まったばかりで、結果が出てくるのはこれからです。がんについて、私の個人的な体験を一つご紹介します。私の兄は末期のすい臓がんで、抗がん剤治療を始めた1クール目は激しく食欲が落ちました。幻聴や吐き気などの副作用がひどく、本人は「もう治療を止める」といったほどでした。兄が2クール目からツルレイシを試してみると、食欲が落ちないどころか「焼き肉が食べたい」というようになったのです。残念ながらその後、兄は亡くなりましたが、最期の日まで痛みに苦しまず、「ありがとう、ありがとう」といっていました。

長崎県平戸市のシンボル・平戸大橋

365カレッジ編集部:ツルレイシに秘められた力の根源は何なのでしょうか?

長島:研究によって明らかになった、ツルレイシが発揮する小腸細胞の賦活作用ではないかと考えています。ツルレイシは小腸上皮細胞の細胞分裂を促進させるとともに、細胞の代謝を活発化させることが確かめられています。人間にとって小腸は、食物からの栄養素を吸収する最大の臓器です。吸収する最前線には絨毛と、小腸の粘膜を形成する微絨毛細胞があります。微絨毛細胞は、陰窩(いんか)と呼ばれる絨毛のくぼ地から、1日に8000億個も発生するのですが、その寿命はたった1日といわれています。この微絨毛細胞が、吸収された食べ物の栄養分を吸収するわけですから、微絨毛細胞が減ると全身への栄養供給が不足して、すべての臓器が弱ってくるのです。皮膚も脳も同様だと思います。ツルレイシは、この微絨毛細胞の賦活効果を上げているのです。そして、小腸の微絨毛の不活性化こそ、認知症が起こる原因ではないかと思っています。あくまでも私の仮説ですが、どなたかこの認知症が発症するメカニズムの研究にご賛同とご協力をいただけたらと願っています。

365カレッジ編集部:『つる草の力を見つけた男』に込めた思いについて、改めてひと言お願いします。

長島さんはツルレイシの栽培を生かした平戸の地域振興にも取り組んでいる

長島:故郷の長崎県平戸に拠点を置いている根底には“地元を何とかしたい”という気持ちがあります。自分にとって身近なところから元気を取り戻せれば、ゆくゆくは日本全体が元気を取り戻せるのではないかと思っています。私がツルレイシの力という宝物と出合ったのは、この得がたい力によって多くの人を幸せにするためなのだと信じています。ツルレイシを皆で育てて、より大きなビジネスにして、多くの人々が健康を取り戻し、さらに幸せになれることを願いながら、明日も奮闘を続けてまいります。

365カレッジ編集部:私たちからも、読者のみなさんへお伝えしたい言葉があります。「読まれた方によって賛否はあるだろうが、人生は何度でもやり直せる」「自分自身の可能性を信じ、そのつど、一つのことに集中しチャレンジしてほしい」「必ずゴールはあるのだから。」生きてゆくうえで、とっても心強くなれた1冊でした。

長島:そういっていただけると、うれしいですね

長島孝樹さんの著書
『つる草の力を見つけた男』(エイチアンドアイ)

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