365調査隊
男の子でも女の子でも、赤ちゃんや子どもはいとおしい存在。一般的に、女の子のほうが生命力が強いといわれますが、どのような理由があるのでしょうか? 男女差に関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。
男女差はⅩ染色体の数が関係している
子を持つなら「一姫二太郎」が理想と、昔からよくいわれます。これは活発な男の子よりも、おとなしい女の子のほうが育てやすいことから、初めての育児は女の子のほうが穏便である、という意味のことわざです。
また、性格の面だけではなく、単純に女の子は男の子より丈夫であることも、「一姫二太郎」が求められる根拠の1つなのだそうですが——。果たして、医学的な根拠があるのでしょうか? 用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック院長の菊池真大先生に話を聞きました。
「女児が男児よりも生命力が強いとされる背景には、Ⅹ染色体が担う役割の大きさがあります。Ⅹ染色体には免疫や代謝、細胞修復、脳や心血管の発達など、生命維持に欠かせない遺伝子が数多く詰め込まれているのですが、女児はこのⅩ染色体を2本持つため、片方に変異や機能低下があっても、もう片方がその働きを補うことができるのです」
それに対して、男児にはⅩ染色体が1つしかないため、万一そこに問題があると、その影響が全身にそのまま表れてしまいます。つまり、男の子より女の子のほうが丈夫であるというのは、医学的な事実といえます。
さらに、専門的に掘り下げていくと、「女児は生まれながらにして免疫の面で優位性がある」と菊池先生は語ります。
「免疫の要となる遺伝子の多くは、Ⅹ染色体上にあります。女児はこれらを二重に持つことで、感染に対する初動がより安定しやすいわけです。逆に、男児は1つの遺伝子の状態にすべてが依存するため、感染症に対して脆弱になりやすい特徴があります」
未成熟でさまざまな病気に対するケアが必要な幼児期には、確かにこうした性差は影響力が強いでしょう。
また、興味深いのは、生まれる前のおなかにいる状態においても、こうした性差が見られることです。
「男児の胎盤は成長を優先する傾向が強く、母体の栄養状態や炎症、胎盤機能の揺らぎといったストレスに弱いことが知られています。それに対し、女児の胎盤は成長速度こそ控えめですが、ストレスに対する耐性が高く、環境変動に対して柔軟に対応できる性質を持っています。この違いは、妊娠初期の流産率、あるいは早産児の予後にそのまま反映されるものです」
このように、複数の視点から女の子のほうが丈夫で育てやすいのは事実のようです。
とはいえ、赤ちゃんの誕生は女の子でも男の子でも幸せな知らせ。できるだけ健やかに成長できるよう、育児をサポートしてあげるのがいいですね。

