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サプリメントは肝臓に悪いってホント?

健康常識のウソ・ホント[365調査隊が徹底検証!]

365調査隊

健康の維持・増進の補助をするサプリメント(以下、サプリと略す)。サプリを日常的に飲んでいる人は少なくありませんが、「肝機能障害が起こった」と報道されるなど、体に悪影響があるのかも……。真相に迫ります。

健康食品はなにをとるか以上に摂取量が重要!

健康で長生きするためには、毎日の食事の栄養バランスに気をつけたいもの。しかし、外食が続いた時などは、どうしても栄養が偏ってしまいがちです。

例えばビタミンCの場合、体内で生成できない栄養素のため、1日に100㍉を食事から摂取するのが望ましいと厚生労働省は定めています。でも、三度の食事だけで満たすのは、なかなか難しいのが実情でしょう。

そこで頼りたくなるのがサプリ(健康食品)ですが、「薬やサプリのとりすぎは肝臓にダメージを与える」という気になるうわさも……。健康のためにサプリを飲んでいるのに、体に悪影響を与えるようでは本末転倒。果たして、このうわさはほんとうなのでしょうか?

「病院で処方された医薬品や、ドラッグストアなどで購入するサプリが原因で肝臓に炎症が起こることは、確かにありえます。これは『薬物性肝障害』と呼ばれるもので、体質からくるアレルギー反応によるケースと、代謝されて生まれた物質が蓄積されて起こる中毒によるケースの二つの原因が考えられます」

そう語るのは、広島ステーションクリニックの石田清隆先生です。石田先生によれば、薬物性肝障害を起こすと倦怠感や食欲不振、黄疸、腹痛、発熱などの症状が起こることがあり、サプリの摂取から早ければ7日以内、遅ければ3ヵ月以上たってから発症する場合もあるのだそう。そのため、長く使っているサプリだからといって安心はできず、「不安な人は定期的に血液検査を受けるべきでしょう」とのこと。

こうなると、安易にサプリに頼るのも考えものです。サプリと上手に付き合う方法はないのでしょうか?

「サプリはなにをとるかも大切ですが、それ以上に重要なのは摂取量です。例えば、ビタミンAやビタミンDなどの脂溶性ビタミン、あるいは鉄や亜鉛といったミネラルは、表示されている摂取基準量以上にとりすぎると、体内に蓄積することがあるので注意が必要です」

また、なんらかの病気で医薬品を服用している場合、サプリとの飲み合わせで薬の血中濃度が上がって効果が強くなったり、逆に低くなって効果が薄れたりすることがあると石田先生は指摘します。日常的に使っているサプリは、かかりつけ医に報告しておくのがいいでしょう。

「結局、栄養は食事からとるのがいちばん。毎日たくさんの種類の食品をバランスよく食べ、その上であくまで補助的にサプリを使うのが効果的ですよ」

「人間の体は食べ物で作られる」——肝に銘じておきましょう。

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