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のどの奥からたまに飛び出す〝臭い玉〟の正体とは?

健康常識のウソ・ホント[365調査隊が徹底検証!]

365調査隊

日常生活の「あるある話」としてしばしば話題にあがる〝におい玉〞。つぶした時の強烈な悪臭は、一度経験しただけでも記憶に残るほどです。そんな臭い玉に関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。

〝臭い玉〟は年齢を問わず免疫によって発生

せきやくしゃみをした拍子ひょうしなどに、のどの奥から小さな白い固形物が飛び出した経験はないでしょうか。

手に取ってみると、強烈な悪臭をはなっていることから、一部で〝におい玉〟と呼ばれるこの物体。なにか体内に悪い変化が起こっているきざしなのではないかと不安になりますが……。正体はいったいなんなのでしょう?

「これは正式には『膿栓のうせん』と呼ばれるもので、のどの入口にある扁桃へんとうの小さなくぼみにできる、白いかたまりのことを指しています。扁桃には体内に侵入しようとする細菌やウイルスを退治する役割があり、その死骸し がいがくぼみにたまることで膿栓ができ上がります。悪臭成分の塊なので、潰すと強い臭いが発生し、口臭の原因になることもあります」

そう語るのは、ヨコデンタルクリニック院長の横引良評よこびきりょうへい先生です。横引先生によれば、膿栓は免疫機能によって発生するものであり、必ずしも病的なものではないとのこと。

しかし、健康面のリスクがないとはいえ、口臭の原因になるのであれば、無害ともいいきれません。膿栓の発生を防ぐ方法はあるのでしょうか。

「例えば、歯の表面に食べかすがたまりやすい人は細菌が増えやすく、膿栓の発生につながることもあるでしょう。歯と歯の間や奥歯など、歯磨きが十分に行き届いていない人は注意が必要です。また、鼻ではなく口で呼吸する習慣がある人は口腔内こうくうないが乾燥しがちで、細菌を抑制する働きがある唾液だえき分泌量ぶんぴつりょうが減ってしまうため、細菌が増殖するリスクがあるので気をつけたいですね」

なお、膿栓は年齢を問わず、男女ともに発生する可能性があるものだと横引先生は語ります。体内に入ってもほとんど害はないため、基本的には放置したままでも問題はないそうですが、まれに慢性扁桃炎を引き起こすこともあるため、気になる人は専門医の診断を仰ぐことをおすすめします。

「膿栓の除去は耳鼻咽喉じびいんこう科の範囲になります。たまに、綿棒やつまようじを使って自分で膿栓を取り除こうと試みる方もいますが、のどや口内を傷つけてしまう可能性があるので、これは避けるべきでしょう」

歯科医である横引先生によれば、膿栓に限らず口内には健康を左右するさまざまなサインがあるのだそう。

「歯科検診の際に、虫歯や歯周病だけではなく、扁桃がれているなどの異常が判明することもよくあります。なんらかの違和感がある方は、ぜひ気軽にお近くの歯科クリニックに相談していただきたいですね」


365調査隊とは
ちまたにあふれる健康常識の真偽を検証するために編集部員とプロアスリートで健康マニアのライター・友清哲ともきよさとし氏が「365調査隊」を結成! 各分野の専門家を取材して健康常識の真実に迫ります!

横引良評先生が診療されているヨコデンタルクリニックの連絡先は、
〒285-0841 千葉県佐倉市下志津894-5  ☎043-497-4184 です。