365調査隊
和食に欠かせないみそは発酵食品で腸内環境にいい反面、塩分を多く含んでいます。近年では、みその研究が進んで降圧作用があるとの発表もされています。そんなみそに関するウソ・ホントについて真相に迫ります。
みその降圧作用は議論されているが未実証
発酵食品は体にいいというのは世の常識。古来、発酵とともに生きてきた日本人としては、これは心強いことでもあります。例えば、みそ汁などは、私たちにとって最も手軽に口にできる発酵食品の一つでしょう。
しかし、みそ汁には塩分が含まれています。いくら発酵食品が体にいいからといっても、塩分過多で高血圧になるようでは本末転倒ですが……。戸塚西口さとう内科院長の佐藤孔信先生に聞いてみました。
「食塩をとりすぎると、塩分濃度を下げるために体は水分を増やそうとします。そのため、血液量が増え、血管にかかる圧力が増すことで血圧が上がります。一般的にみそ汁1杯(みそ大さじ1杯分相当)には約1.5㌘の塩分が含まれていますから、過剰摂取が高血圧の原因になるのは間違いないでしょう」
近年では、みそに含まれる成分に降圧作用があると議論されています。しかし、佐藤先生によれば、今のところ実証されていないため、うのみにしないでほしいとのこと。
「世界保健機関(WHO)では、すべての方への減塩目標を1日5㌘未満と設定しています。それに対し、日本人の塩分摂取量は昔よりも減ったとはいえ、1日約10㌘程度と、まだまだ塩分過多な状態にあります。特に高血圧や慢性腎臓病(CKD)の方は、悪化予防のために1日6㌘未満に抑えるべきでしょう」
しかし、減塩は容易ではありません。私たちは日々の食事において、どのような点に注意すべきなのでしょうか。
「いきなり1日5㌘未満を目指さなくても、段階を踏んで取り組むのがいいでしょう。例えば、汁物を減塩する工夫としては、だしを使うことが挙げられます。カツオ節にはイノシン酸、コンブにグルタミン酸、干しシイタケにグアニル酸が含まれており、これらを組み合わせれば相乗効果でよりうま味が増し、減塩していてもおいしい汁物に仕上がります。調理や食べ方の工夫で減塩できるはずですよ」
みそ汁は具だくさんを心がければ、野菜を多く摂取でき、溶け出した栄養素も漏れなくとることができます。また、「豚汁のように肉や豆腐などのたんぱく源を加えれば、栄養バランスの面でも文句なしです」と佐藤先生。最後に、みそを選ぶコツを聞いてみました。
「栄養素の中には加熱により壊れてしまうものもあるので、みそ本来のうま味や栄養素をとるためには加熱処理されていないものが望ましいでしょう。麹の割合や熟成期間などの違いから多種多様なみそがあるので、料理の種類や好みに合わせて取り入れてみてください」