365調査隊
糖質ゼロだから、いくら食べても大丈夫——そう思い込んでいる方は少なくありません。しかし、糖質ゼロ食品のような加工品には、見逃されがちな落とし穴があります。加工品に関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。
超加工食品は原材料を見て判別が可能!
最近、「糖質ゼロ」「脂質ゼロ」をうたう食品が増えています。糖質も脂質も、生活習慣病を予防するために、摂取量を抑えるに越したことはありません。でも、これらの食品はほんとうに体にいいのでしょうか? 米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学医師の山田悠史先生にお聞きしました。
「こうした糖質ゼロ、脂質ゼロの表記を見ただけで無条件に健康にいいと思ってしまうのは、ヘルスハロー効果と呼ばれる心理的な偏りが働いているためです。ある研究では、『低脂肪』と書かれた食品はカロリーをより低く見積もられやすかったり、『健康的』と書かれたラベルを見ると約4割の人が〝たくさん食べても大丈夫〟と誤解してしまったりすることが確認されているので、注意が必要です」
また、糖質ゼロ、脂質ゼロの表示だけでは、その食品が栄養的に優れているかどうか判断できないと山田先生は指摘します。
「表示と中身が一致しないケースは多く、約8000件の食品購入データを分析したアメリカの研究では、『○○が少ない』と表示された食品が表示のない食品より必ずしも栄養面で優れているわけではないことが分かっています。また、減らした成分を別の成分で補っていることも珍しくありません」
なにより、糖質ゼロ、脂質ゼロだからといって、たくさん食べてしまえば無意味です。特に、脂質については量より種類が大切で、「脂肪の摂取量を減らすことが、すなわち心臓・血管の病気やがんのリスクを下げることにはつながりません」と山田先生は話します。
こうした誤解を招かないために、最近では「超加工食品」という言葉が注目されています。超加工食品とは、食品を加工の度合いによって4つに分類するしくみの中で、最も加工されたグループに相当する食品のことです。
「具体的には、合成着色料・香料・保存料・乳化剤などを含む食品です。超加工食品には、添加物が腸内細菌のバランスを乱して代謝に悪影響を与えたり、体内で炎症を起こしたりするリスクがあります」
こうした超加工食品を見分けるには、パッケージの原材料をチェックすることが大切です。家庭料理ではまず使わない工業的な原料(分離した植物性たんぱく質、加工デンプン、硬化油など)や、色・香り・甘みを足す添加物(合成着色料、香料、人工甘味料、乳化剤など)が表記されているなら、できる範囲で減らせるとよいでしょう。
やはり、日頃から糖質や脂質の少ない食生活を心がけるのがいちばんということですね。
山田悠史先生の著書『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』(サンクチュアリ出版)は好評発売中。


