株式会社レガルシィ代表取締役CEO 今村 充生さん
今、がんや認知症をはじめ、さまざまな難治性疾患への活用が期待され、医学界の先駆者からも注目されている「HHOガス(水素酸素混合ガス)」。HHOガス発生装置の開発を手がけたパイオニアが株式会社レガルシィ代表取締役CEOの今村充生さんです。今回は、これからの医療のみならず、農業や畜産など幅広い分野で大きな変化をもたらす「HHOガス大革命」を牽引する情熱人の物語(後編)をご紹介します。

今、医療から農業、食、環境まで幅広い分野で大革命を起こすと注目されている「HHOガス(水素酸素混合ガス)」。前編では、HHOガス発生装置の開発・製造・販売を手がける株式会社レガルシィ代表取締役CEOの今村充生さんに、幾多の苦難を乗り越え、HHOガスの開発にたどりつくまでの激動の軌跡を伺いました。後編では、実際の活用事例や注目すべき成果を紹介しながら、大きな可能性を秘める「HHOガス大革命」の核心に迫ります。
編集部 実際に人間用のHHOガス発生装置ができあがると、次は実用化という話になると思います。最初に使ったのはどなたですか?
今村 私自身が開発中からHHOガスを吸っていて、風邪をひきにくくなったり、花粉症の症状が出なかったりといった健康効果を実感していました。外部の方では、まだ試作品だったのですが、最初に使ってもらったのは千葉県茂原市で農業を営むステージⅣの悪性リンパ腫を患った60代の男性でした。「治療の限りを尽くしてもよくならず、医師からもさじを投げられてしまった」と奥さんが話していました。
編集部 最初からステージⅣの悪性リンパ腫の患者さんとは、ハードルが高いですね。それだけ自信があったということでしょうか?
今村 いえ、まったくそういうわけではなく、正直なところ関わりたくないという思いでした。本人はのどの左右にゴルフボール大の腫瘍があり、ぐったりして無気力な様子でした。でも、奥さんのほうが「どうしてもなんとかしたいから、装置を使わせてほしい」と懇願してきたんです。
試作品の第1号機だったのですが、装置を提供して1ヵ月もたたないうちに奥さんから電話があって、「もう駄目みたい」といわれたんです。やはり手遅れだったかと思いきや、駄目なのは装置のほうで電源が入らなくなったとのこと。急いで修理に行くと、装置の基盤が膨張していたんです。
事前に朝・昼・晩に1時間ずつ吸ってくださいと伝えていたのですが、ご主人は1日5時間吸っていたそうです。加えて、奥さんも気に入って1日5時間吸っていたことが分かりました。連続運転で熱を冷ます時間がなかったことが故障の原因だと判明しました。
その時、驚いたのですが、ご主人ののどにあった腫瘍がすっかりなくなっているように見えたんです。ご主人も「最近、体調がいいからイチゴの仕事を再開しようと思っている」といっていました。
編集部 1ヵ月足らずで、そこまでの大きな変化が見られたとは⁉ 驚きのエピソードですね。
今村 そうなんです。それからまた1ヵ月後に奥さんから電話がかかってきて「もう駄目みたいなんだけど」と再びいうから、「どっちがですか?」と聞くと装置のほうとのこと。すでに2台目の装置を用意していましたから届けに行ったところ、真っ黒に日焼けしたご主人が自ら育てたスイカを振る舞ってくれたんです。「調子がいいから、畑仕事を再開した」と話していました。その後、総合病院で検査を受けたそうですが、がん細胞が消失していることが分かったんです。この時、HHOガスには底知れない効果があるってことを肌で実感できました。
編集部 いきなりすごいエピソードですね。
今村 加えて、大阪大学バイオベンチャーと行った認知症や糖尿病を対象にした共同研究で好結果が出たことも自信につながりました。学術的な裏づけが取れたことで、如月総健クリニック院長の白川太郎先生(元京都大学大学院教授)とも知り合うことができ、福岡のクリニックで核シェルターにも匹敵する高気密性を備えたシェルター内でHHOガス発生装置を使用し、がんや脳疾患を対象としてデータ取りをしてもらっています。
編集部 HHOガスが、いよいよ医療分野で本格的に研究されていくわけですね。白川先生が試されている高気密シェルターとはなんですか?
今村 以前からHHOガスを高気密状態のもとで吸えば体のすみずみまで行き届くはずだと考えて探していたのですが、なかなかこちらの条件に合うものが見つかりませんでした。それが、ある展示会で核シェルターを製造している会社と出合うことができたんです。2気圧以上は医療機器になってしまうのですが、そのシェルターはギリギリの1.9気圧。耐圧テストや耐荷重テストも常に行っているということですぐに提携し、HHOガス発生装置用の高気密シェルター(高圧高濃度HHOシェルター)を製造してもらいました。
編集部 ところで、2026年7月28日付の地方紙『南信州新聞』に長野県阿南町で健康増進施設「HHOライフセンター」の竣工式が行われたという記事がありました。こちらはどういった取り組みですか?
今村 HHOガス発生装置の研究開発では、株式会社ファーストエレメントの長谷川幸夫社長と二人三脚で取り組んできました。長谷川社長の尽力なしには、これまでの成功はありえません。
阿南町でのHHOライフセンタープロジェクトも、長谷川社長が未病センターを作りたいといって、5年ほど前に富草へき地診療所(長野県阿南町)の金秀成先生と私を引き合わせてくれたんです。HHOガス発生装置を見た金先生は「これだ! これで念願の未病センターを作れる」と目を輝かせ、すぐに当時の町長に進言されたんです。2021年12月のことで、私が富草へき地診療所の施設に装置を納品したのが2022年3月でした。
1年目は64人の患者さん、2年目は100人の患者さんと、年を追うごとに未病センターを訪れる患者さんの数が増え、とても受け入れきれなくなってしまいました。そこで、本格的にライフセンターを作ろうという話になり、富草へき地診療所の隣に独立する形で総工費1億5000万円をかけてHHOライフセンターが新設されたんです。
編集部 町を挙げての一大プロジェクト——HHOガス発生装置と高気密シェルターを備えた、まさに未来型の健康増進施設ですね。これまで、どのような疾患や症状の方が利用されてきたのでしょうか?
今村 高圧高濃度HHOシェルターは、すでに日本全国20ヵ所以上のクリニックやライフセンター、サロンに導入され、さらに広がりを見せています。2023年6月から1000人以上もの疾患を抱えた方が利用していますが、今までに目に見えて効果が見られた疾患は、パーキンソン病、関節リウマチ、糖尿病、認知症、がん、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、うつ病などが挙げられます。
編集部 さまざまな疾患の方に利用され、実績を積み重ねているのですね。医療分野のみならず、HHOガスは農業や畜産の分野でも注目されていると聞きます。どのように活用されているのでしょうか?
今村 我々の特許技術には、HHOガス発生装置に関する技術に加え、HHOガスをナノバブル水に溶解させる技術もあるんです。農業や畜産の分野では主に動植物にHHOガスのナノバブル水を与えて成果を上げています。
編集部 「ナノ」というと10億分の1を示す単位のことですね。HHOガスのナノバブル水を与えると、動植物にどんな好影響があるのでしょうか?
今村 「細胞のエネルギー工場」と呼ばれるミトコンドリアは、動物や植物の細胞に共通して存在し、酸素を利用して生きるために必要なエネルギー(ATP)を作っています。こうした生命活動の基本的なしくみに着目することで、HHOガスは人間だけではなく動植物への応用にも可能性が広がっているんです。
編集部 なるほど。実際に導入された事例はありますか?
今村 はい。5年前から冒頭でご紹介したステージⅣの悪性リンパ腫を克服した方の農園で黒イチゴの栽培にHHOガスのナノバブル水装置を導入し、導入後5年間の平均で1.25倍の収穫量を実現できています。昨年だけでいえば、収穫量が1.49倍という結果が出ています。また、黒イチゴの栽培において、うどんこ病などの病気が発生せずに栽培できているという実験結果も出ています。

2024年からは新潟県胎内市にあるイチゴ農園にもHHOガスのナノバブル水装置を導入していただき、1年中収穫できるようになりました。そのほか、宮城県石巻市の農家では、トマトをはじめ、ピーマンやパプリカなどの栽培にも活用していただいています。さらに、福岡県久留米市のグリーンアスパラ農家や、熊本県阿蘇市の米農家など、さまざまな農業現場で導入が進んでいます。
編集部 畜産の分野ではいかがですか?
今村 熊本県天草市の〝幻の地鶏〟とも呼ばれている「天草大王」という地鶏の生産者にHHOガスのナノバブル水装置を導入していただき、肉質のいい天草大王の生産に活用されています。天草大王はニワトリ(一般のブロイラーや肉用鶏)の約2倍に達する日本最大級の品種で、背丈は約90㌢、体重は約7㌔にもなります。肉質は硬すぎず柔らかすぎない絶妙な歯ごたえで、弾力とジューシーさが特徴です。
また、福岡県うきは市の養豚場では「耳納あかぶた」の飼育に活用していただいています。耳納あかぶたは品種改良されていない原種に近い希少な赤毛の豚で、柔らかな肉質と上質な脂身、濃厚なうま味が特徴です。
編集部 農業や畜産の分野にもHHOガスの活用が勢いよく広がっていることが伝わってきました。国内での普及に続き、海外への展開はいかがですか?
今村 ちょうど今年の初めから、タイのチェンマイ大学農学部教授、タイの農業・協同組合省、そして我々との共同研究で、ナマズの養殖やフルーツの栽培などが始まったところです。タイの農業・協同組合省公認で農家への装置の供給が始まっています。
編集部 海外といえば、今村社長は海外の大学で客員教授も務めていますね。これにはどういう経緯があったのでしょうか?
今村 2019年から、スリランカにあるWHO(世界保健機関)とユニセフが合同で設立した代替医療・未病医療専門の大学に論文を提出していました。その論文と高圧高濃度HHOシェルター治療に関する論文が2025年11月26日付で認められ、12月3日付で代替医療医学博士の学位を取得することができたんです。
この大学とスリランカでも有数の大学であるKIU大学とでHHOガス吸入治療と高圧高濃度HHOシェルター治療の共同研究を行うことになりました。今、WHOをはじめ、世界の医療雑誌に論文を発表し、HHOガス治療を医療として世界で認めてもらう活動をしています。
KIU大学では、客員教授兼顧問の立場で活動させていただくことになりました。その活動の報告を兼ねてスリランカの国会議事堂まで次期大統領候補と目されるワサンタ・サマラシンハ大臣にご挨拶に伺い、共同研究の病院もご紹介いただけることになりました。
編集部 HHOガスの研究が海外の大学との共同研究にまで発展しているとは! 国内での活用から、いよいよ世界へ——。ますますスケールの大きな展開になってきましたね。順風満帆に見えますが、現状で課題はありますか?
今村 課題は山積みです。私の夢の1つは、高圧高濃度HHOシェルターを一家に1台、世界中に普及させることです。高齢者はもちろん、未来を担う子どもたちの心身の健康増進に貢献できたらと願っています。ですが、現状ではシェルターが鉄製のため850㌔と非常に重く、価格も1000万円以上と高額なのが難点です。そこで現在、高圧高濃度HHOシェルターの軽量化と低価格化を図るため、アルミや、東京ドームの屋根にも使われているガラス繊維布などを新たな素材として試しながら、研究を重ねています。
また、HHOガスは放射性物質による汚染の低減にも活用でき、環境問題にも貢献できるのではないかと考えているのですが、昨今の資材の高騰も打撃になっています。特にプラチナの価格が以前と比べて10倍になってしまったんです。どうにかして価格を抑えられないかと思案を重ねる毎日です。
編集部 さまざまな課題を抱えつつも大きな可能性を秘めるHHOガスですが、ご家族からの反応はいかがですか?
今村 研究を始めた当初は反対されることもありましたが、今では応援してくれています。私には息子と娘がいて、現在はそれぞれ別の仕事に就いていますが、ゆくゆくは私の仕事を手伝ってもらう予定なんです。ここまで来るまでに、いろいろな人にだまされたり裏切られたりしてきましたから、信頼できる身近な家族の存在はかけがえのないものだと痛感しています。
編集部 苦労されてきた今村社長の言葉だからこそ、その重みはなおさらです。最後に、今村社長にとってHHOガスとはなんですか?
今村 そうですね……。HHOガスは、私にとって人生そのものであり、未来への希望でもあります。これからも波瀾万丈な人生が待ち受けているかもしれません。しかし、たとえどんな困難が立ちはだかろうとも、私は決して立ち止まりません。HHOガスが切り開く未来をこの目で見届けるまで、私は走りつづけます。


