日本先進医療臨床研究会理事長 小林 平大央
3大療法の限界突破!ヨウ素、水素に続く次世代ガン治療の注目の治療素材とは?

ヨウ素、水素に続いて次世代ガン治療を支える治療素材として注目されているのが「純パプラール水」です。純パプラール水は、プラチナ(白金)とパラジウムによるナノコロイド溶液です。
ガンの微小環境の悪化や、全身の悪液質(カヘキシア)の進行に関わる要因の1つとして「活性酸素(ROS)」による酸化ストレスが挙げられます。一般的な抗酸化物質であるビタミンCやポリフェノールなどは、活性酸素と反応すると自らも酸化され、抗酸化作用を失ってしまいます。
一方、純パプラール水に含まれるプラチナとパラジウムのナノコロイドは、触媒として働くことが特徴です。そのため、自らが大きく消耗することなく、体内で発生する活性酸素に繰り返し作用することが期待されています。
純パプラール水については「スーパーオキシド」「過酸化水素」「ヒドロキシルラジカル」「一重項酸素」という4種類の活性酸素に対して、長時間にわたって作用することが報告されています。腸内で酸化ストレスが過剰になると、腸管の環境が乱れ、全身の免疫機能にも影響を及ぼす可能性があります。純パプラール水は腸管に直接届けられ、腸内の酸化ストレスに働きかけることが期待されています。こうした作用によって腸管の環境が整えば、腸内細菌叢のバランスや腸管免疫にもよい影響を与える可能性があります。さらに、NK細胞やキラーT細胞など、ガン細胞を攻撃する免疫細胞の働きを支えることにもつながると考えられています。
もう1つの注目の治療素材が「アサイゲルマニウム」です。「ゲルマニウム」と聞くと、金属としての毒性を心配する方もいるかもしれません。しかし、アサイゲルマニウムは無機ゲルマニウムとは異なり、独自の製法によって作られた水溶性の有機ゲルマニウム化合物です。
アサイゲルマニウムの大きな特徴は、体内に取り込まれると「THGP」という化合物に変化することです。以降で紹介するアサイゲルマニウムのさまざまな働きには、この体内で生じるTHGPが深く関わっていると考えられています。
ガン細胞の分裂・増殖や転移を促す要因の1つが、慢性的な「炎症」です。体内で生じたTHGPについては、細胞外に過剰に存在するATP(アデノシン三リン酸)と結合することで、炎症反応の引き金となる「インフラマソーム」の活性化を抑える可能性が研究されています。これによって、IL-1β(インターロイキン・ワン・ベータ)などの炎症性サイトカインの過剰な分泌が抑えられ、体内の炎症状態を鎮める働きが期待されています。さらに、こうした作用によって、ガン細胞の周囲に作られる炎症性の微小環境を改善し、ガンの進行を抑える可能性も考えられています。
ガン細胞は低酸素の環境を好み、そのような環境では悪性度を高めることがあります。アサイゲルマニウムは、以前から体内の酸素利用を支える働きが指摘されてきました。さらに近年の研究では、赤血球の代謝や造血に関わる作用を通じて、全身の酸素運搬機能を高める可能性も示唆されています。また、THGPには、白血球の一種であるマクロファージに働きかけ、抗腫瘍作用を持つ「M1型マクロファージ」への分化を促す可能性も報告されています。
ガンそのものによる痛みや、治療に伴う疼痛は、患者さんのQOL(生活の質)を大きく低下させる要因です。アサイゲルマニウムは、ガン患者さんにとって大きな問題となる「痛み」を抑制する働きがあることも分かっています。
体内で生じる硫化水素などの硫化物は、痛みを伝えるイオンチャネル「Cav3.2」を刺激し、痛覚を増強させることがあります。これに対し、THGPにはこうした硫化物を捕捉して無毒化する働きが研究されています。その結果、痛みの信号が増幅されるのを抑え、疼痛を緩和する可能性があると考えられます。

このように、アサイゲルマニウムには「炎症の抑制」「酸素運搬機能のサポート」「疼痛緩和」という、ガン患者を支えるうえで重要な3つの側面からの働きが期待されています。単なる栄養補給にとどまらず、ガン患者の体力やQOLを支え、治療を側面からサポートする素材として研究が進められているのです。
最後に紹介するのが、ガン細胞の分裂・増殖に深く関わる必須アミノ酸の1つ「メチオニン」の代謝に働きかける酵素です。
上皮性のガン細胞が活発に分裂・増殖する背景には、1つの大きな弱点があります。それは、正常細胞よりも多くのメチオニンを必要とすることです。このガン細胞特有の弱点を狙うのが「メチオニン代謝酵素治療」です。
正常細胞はメチオニンが不足しても、オートファジー(細胞のリサイクル機能)などのしくみを利用して、細胞内の成分を再利用することができます。一方、ガン細胞はメチオニンが不足すると分裂・増殖が難しくなるという特徴があります。ここに、ガン治療の新たな標的があります。それは、メチオニン代謝酵素である「メチオニナーゼ」によって、腸管内にあるメチオニンを分解・代謝し、ガン細胞へ届きにくくするというアプローチです。
メチオニンを十分に利用できなくなったガン細胞は、細胞分裂の最終段階に向けた「G2期」で細胞周期が停止することがあります。いわゆる「G2アレスト(細胞周期停止)」です。
分裂・増殖のための製造ラインを止められたガン細胞は、治療による攻撃を受けやすい状態になることが期待されます。そこへ患者自身の免疫細胞であるNK細胞やキラーT細胞、さらに抗ガン剤などによる攻撃を組み合わせることで、治療効果を高められる可能性があります。
さらに、純パプラール水やアサイゲルマニウムによる免疫機能や体内環境へのアプローチを組み合わせることで、「分裂・増殖しにくく、転移しにくい状態にガン細胞を追い込み、そこへ活性化した免疫細胞や標準治療で攻撃する」という、次世代の統合的なガン治療が実現できる可能性があります。それぞれ異なる角度からガン細胞にアプローチすることで、単一の治療だけでは狙いにくかったガンの弱点を複数同時に攻める——これこそが、次世代ガン治療が目指す統合的アプローチの大きな特徴といえるのです。
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