365調査隊
風邪薬や降圧薬、鉄剤……。何種類もの薬を飲んでいる方は少なくありません。それらの薬をお茶で飲んでしまった経験がある人もいるとは思いますが、いけないことなのでしょうか。薬に関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。
お茶以外にカフェインや牛乳、柑橘類にも要注意
厳しい残暑が続くこの時期。冷房に頼りすぎて、体を冷やして夏風邪に悩まされる人もいるのではないでしょうか。
風邪は早めの対処がいちばん。ぜひ風邪薬は常備しておきたいものですが、そこでふと気になるのが、薬はお茶で飲んではいけないという通説です。昔からよく耳にするこのルールには、医学的な根拠があるのでしょうか? 林外科・内科クリニック理事長の林裕章先生に聞いてみました。
「例えば、貧血の治療に用いられる鉄剤などは、お茶に含まれるタンニンで吸収率が多少下がることがありますが、通常の貧血治療においてはほとんど影響しないと考えられています。ただ、飲み物の成分によって効果が変わる薬があるのも事実なので、水もしくはぬるま湯で服用するのが基本でしょう」
仮に鉄剤を誤ってお茶で飲んでしまっても、「慌てる必要はありません」と林先生。しかし、多くの薬は水で飲む前提で作られていることを忘れてはいけません。
「一例を挙げると、気管支を広げるテオフィリンという薬などは、大量のカフェインと一緒に摂取すると、動悸や手の震え、不眠、吐き気などの症状が出ることがあります。そのため、濃いお茶やコーヒー、エナジードリンクなどで服用することは避けるべきです」
また、高齢者に多い骨粗鬆症の薬にもご注意を。
「骨粗鬆症の治療で処方されるビスホスホネート製剤はさらにデリケートで、起床後すぐに約180㍉の水だけで服用し、その後30分は飲食やほかの薬を避けて、横になってはいけません。水が少ないと錠剤がのどや食道に張りつき、炎症や潰瘍を起こすことがあります。上体を起こし、コップ1杯の水で飲みましょう」
ちなみに、牛乳にも注意が必要で、一部の抗菌薬や骨粗鬆症薬はカルシウムと結びついて効果が弱まり、コップ1杯で吸収が3割低下することがあると林先生は語ります。風邪薬程度であればさほど神経質になる必要はないものの、転ばぬ先の杖として、水で飲むことを習慣づけておくのが安心でしょう。実際、薬と組み合わせてはいけないものも存在しています。
「グレープフルーツの影響が摂取後2~3日も続くことがあるため、降圧剤などを内服中はグレープフルーツジュースやその果肉を摂取してはいけません。時間をずらしても影響が残るので注意しましょう」
これはブンタン(ザボン)やハッサクといった柑橘類も同様。薬の効果を損なわないために、胸に留めておいてください。

