雨野 千晴
〝ずぼらさん〟が片づけで大事にすべきポイントとは?

わが家は中2の長男、小6の次男、そして私の3人家族です。夏休みに取り組もうと決めていたビッグイベントがあります。それは子ども部屋の片づけ! わが家は家族全員で片づけをする日を毎週1回決めて、みんなで取り組んでいるのですが、子ども部屋はあっという間にまた元どおりに散らかってしまいます。特に私と同じADHD脳タイプの次男は、物が常に床に散乱。夏休みになると学校の持ち物を大量に持ち帰ってくるので、長期休みを機に、なんとか子ども部屋を片づけようと腹をくくったのです。
私自身が片づけられない族だからこそ、プロの方に教わったり、自分で試行錯誤したりしてきましたが、ADHD脳タイプの片づけで大事だと思っていることがあります。それは「片づけはヘアセット」理論!
みなさんはこんな経験はありませんか? 美容室でとってもすてきなヘアスタイルにしてもらったのに、ひと晩寝たら自分では再現できないということ。私はヘアアイロンで髪の毛をくるくる巻いたり、整髪料をつけてセットしたり……ということが得意でないのです。そこで、美容室では「難しいセットをしなくても再現できるようにしてください」とオーダーするようになりました。そう! ヘアスタイルとお片づけの共通項とは、ずぼらでも再現できる「再現性」こそ命なのです!
ということで、まずは次男に聞き取りをしつつ、日ごろの彼の様子から、片づかない・散らかりやすい理由をリサーチ。やはり片づけられない理由は「使ったものを元に戻す行為自体に即座の報酬がないから」というのがいちばん大きいようです。例えば、おなかが減った→おやつを食べようとなって、ポテトチップスを探して封を切る動作には「ポテトチップスが食べられる」という報酬があります。しかし、手についた油を拭いたティッシュを捨てることや、封を切る時に使ったハサミを文房具立てに戻すことには「ごほうび」がないわけです。もちろん、ゴミを捨てないとテーブルが汚れるとか、ハサミを使ったらしまっておかないと次に使う時に困るとかは理解できますが、そこに意識が向かないのがADHD脳なのです。
その改善のためには「極力簡単に戻せる方法を模索する」。美しさより、完璧さより、再現できるかどうか!いかに本人がらくに片づけられるかがポイント。そこで、今回の片づけでは、わが家の子ども部屋で散らかりがちな2つのものの片づけ場所を変更することにしました。
【片づけポイント①】宝物コーナーを〝まるっと〟作る
次男はこまごましたものを集めるのが好き。化石やら天然石やら、親類にもらった異国のコインやら……それをカテゴライズすると片づけが複雑になってしまいます。そこで、1つの引き出しを〝まるっと〟宝物コーナーに。この引き出しがいっぱいになったら処分するものを決めるという約束をしました。
【片づけポイント②】本棚のゴールデンゾーンを次男仕様にする
次男は本を読むのが好きですが、読んだ本をしまうのが面倒で、常にいたるところに彼の本が散乱している状態。そこで、いったんすべての本を本棚から出し、私と長男の本は厳選して処分。残った本を次男が出し入れしにくい高さの棚へ移動しました。次男が取り出しやすい、戻しやすいゴールデンゾーンはすべて次男のコーナーとして明け渡したのです。さらにその中で、いちばんよく読む本をいちばん使いやすい場所へ本人にそれぞれの置き場所を決めてもらいました。
これからも「自分が片づけやすくなる方法」を一緒に探して工夫を続けることが、大人になった時に自分の苦手をフォローする工夫を自分で考えられることにつながるのかな、と思います。




