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ストレスを意味づけすると人は強くなれる!

杉浦貴之の「治す力は自分の中にある!」
ミスター・メッセンジャー 杉浦 貴之

[すぎうら・たかゆき]——1971年、愛知県生まれ。28歳のときに腎臓がんを発症し、両親には余命半年、2年後の生存率0%と告げられ手術を受ける。以後、『メッセンジャー』編集長兼シンガーソングランナーとして精力的に活動中!

早くて余命半年といわれた腎臓がんの発症から20年目を迎えた私は、2010年から、がん患者さんやご家族、サポーターで参加する「がんサバイバーホノルルマラソンツアー」を主宰しています。さらに、全国での講演活動や、がんを克服した方々の体験を掲載した『メッセンジャー』という雑誌を発行するなど、忙しい毎日を送っています。

昨年の10月、ある地方で開催された私のトーク&ライブに、友人のKさんが当時不登校だった中学生のRちゃんを連れて来てくれました。私の話を聞いてくれたRちゃんはスイッチが入りました。会場の雰囲気も温かく彼女を包み込み、参加した仲間たちが彼女を抱き締めました。

すると翌日、彼女は不登校の原因となっていた相手に「やめて!」と伝えることができたんです。いじめを受けることがなくなり、学校に行けるようになったそうです。

あれから4ヵ月、高校受験をするにあたり、トーク&ライブに連れて来てくれたKさんに、Rちゃんはこう伝えたそうです。

「私がいじめられていなかったら、毎日をボーッと過ごしていたかもしれません。いじめてきた人たちがいたから、杉浦さんやライブに来る人たちとの出会いがあったし、悲しみや苦しみを経験したからこそ、これからどんなことにも立ち向かえると思います。変ないい方かもしれませんが、いじめてきた人たちにも感謝しています」

いじめた子どもたちに対し、怒りでやり返すのではなく、感謝しながら〝おかげさま〟にしてしまう15歳。もちろん、いじめはよくありません。でも、起こった出来事をこんなふうにとらえられる15歳のRちゃんは、ほんとうにすばらしいです。「起こった出来事は変わらない。でも、とらえ方で人生は変わる」。15歳の中学生にそう教えられました。

以前、メンタリストのDaigoさんと講演でごいっしょさせていただいたとき、私はDaigoさんからこういわれました。「ストレスそのものが体にダメージを与えるのではなく、ストレスを感じたとき出るホルモンが細胞までダメージを与えることがある。しかし、そのストレスに意味づけをして、新たな成長の機会ととらえると、逆に免疫力を高めるホルモンが分泌されることがある」と。ストレスをどうとらえるかが大事なのですね。

ある人がショックな出来事に遭遇したとき、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になることがあります。しかし、PTSG(心的外傷後ストレス成長)という言葉があることも知りました。

強いストレスを経て、人は成長できることもあるんです。問題を受け入れ、人生の中で意味づけをしたとき、人はより成長する可能性があるということですね。

友人のLさんから、「再発していたがん細胞が、医師の予想以上の治療効果で消えた」といううれしい報告がありました。放射線治療を受けていたLさんは、本来なら半年くらいで効果が見えてくるところ、2ヵ月後にがんが消失したとのことです。

最初にがんが見つかったとき、Lさんは抗がん剤治療を終わった後に調子に乗り、以前と変わらないペースで動き回っていたそうです。がんが再発したことで、それまでの生き方を反省し、生活習慣を改善するようになりました。 Lさんは、とにかく笑います。さらに泣いて、怒って、喜んで、感情を素直に表現しました。疲れたら休む。寝る。我慢しないで伝える。ストレスをためない。さらに、「がんばりすぎる」「我慢する」「頑固」を徹底的にやめ、食べ物の命に感謝をし、がんばってくれている体に感謝するようにしたそうです。

そのきっかけとなったのは、2018年6月に東京の「健康古民家かのう」で開かれた私のセミナーだったそうです。スイッチが入ったLさんは、夢も語ってくれました。8月には埼玉県で開催された「がん治っちゃったよ! 全員集合!」に参加してくれて、再びたくさんの方の前で夢を伝えてくれました。

そして、今回の医師の予想を超える結果です。がんに対する意味づけを変えて、生活習慣を改善したLさんは、感謝の中に生き、自分自身の喜ぶ生き方を選択したことで、治療効果が高まり、自己治癒力も高まったのではないでしょうか。

杉浦貴之 | 「命はやわじゃない」、がん・余命半年から19年を経過し、ますます元気になった男が伝えるメッセージ
杉浦貴之「がん余命半年から16年目を迎えて」 マガジンと歌とRUNで伝える「命のメッセンジャー」
この記事は「健康365」2019年5月号に掲載されています。