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眠くて眠くてしかたないのに 起き上がらないといけない 敗北感を理解してほしい

患者さんインタビュー
飯塚 慎司さん

[いいづか・しんじ]

1962年、北海道生まれ。子どもの頃から睡眠時の不快感に悩まされていたが、「誰でもあること」と思いながら大人になる。結婚後、自身の症状がむずむず脚症候群によるものと診断される。2005年頃から、むずむず脚症候群に関する情報を発信。現在はfacebookを中心に活動中。

以前、日本テレビ系列で放送されている『ザ!世界仰天ニュース』という番組を見ていたら、むずむず脚症候群に苦しむ芸人さんの様子が紹介されていました。その芸人さんのエピソードには、共感できる内容がいくつもありました。私も、むずむず脚症候群の患者の一人として〝あるある話〟をしてみたいと思います。

● 医師に笑われる
前の話になりますが、むずむず脚症候群であることを医師に相談したとき、先生が一瞬〝ニヤッ〟としたことが忘れられません。大したアドバイスもいただけなかったので、相談しなければよかったと思いました。むずむず脚というネーミングに問題があるのかもしれません。

● 薬が手に入りにくい
私が服用しているビ・シフロールという薬は、初めて行く薬局にはほとんど置かれていません。ある程度、期間に余裕を持って処方箋を手に入れないと、数日間も苦しい思いをすることになります。

● 献血できない
献血をする場合、服用期間を数日空けなければならない薬があります。該当する薬のリストを見ると、私が服用している薬があるのです。献血は社会的にも大切な行為です。献血を決めたときは、当日まで薬の服用を我慢しなくてはなりません。

● 飛行機が怖い
飛行機が離陸・着陸するときは、安全のためにシートベルトを締めて座らなければなりません。そもそも機内は、ベルトを着用しない飛行中でも気軽に歩く場所ではありません。むずむず感に襲われると、耐えがたい時間を過ごすことになります。それでも、最近はエコノミー症候群対策と称して、機内でストレッチなどの体操を気軽にできるようになりました。

● 薬を忘れることへの不安
出張や旅行で薬を忘れたときは大変です。出張中や旅行中は地元のおいしい名物を食べたり飲んだりしますから、生活のリズムが乱れてむずむず感に襲われやすいのです。薬がないと、大変な目にあいます。

● パートナーに迷惑をかける
日常的に妻、あるいは夫に迷惑をかけていると感じている患者さんが多いと思います。私の場合、パジャマを脱ぐとむずむず感が少しらくになることもあって、我慢できずにパジャマを脱いでしまうことがあります。もちろん、妻に叱られてしまうのですが……。

● 席が空いているのに座れない
電車の中でむずむず感に襲われて、立ち上がることがまれにあります。席が空いているのに立っている様子は、周囲の乗客に違和感を与えてしまいます。電車内の路線図や広告を見ているふりをしてやりすごします。

● いちばん嫌なこと
いちばん私が嫌いなのが、むずむず脚症候群を「単なる不眠」と片づけられることです。例えば、このようにいわれます。

「目が覚めて眠れないことは僕にもあるよ。大変だよね。睡眠薬とか使わないの?」「気にしない、気にしない。ますます寝られなくなるよ」「分かる、分かる。ストレスがたまっているんだよね。仕事が忙しいしね」

違います。目が覚めるのではないのです。心から眠りたいのです。眠くて眠くてしかたがないのです。それなのに、起き上がって、無理やり目を覚まさないといけないことがつらいのです。ただでさえ不眠なのに、少しでも寝たいのに、起き上がらないといけない敗北感。この気持ちを皆さんに知ってほしいと、心から思うのです。
 

この記事は「健康365」2019年6月号に掲載されています。