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コーラは骨を溶かすってホント?

健康常識のウソ・ホント[365調査隊が徹底検証!]

365調査隊

1960年代に日本でブームが到来したコーラ。身近な炭酸飲料として親しまれているコーラは、心身のリフレッシュに最適ですが、健康への影響が気になります……。そんなコーラに関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。

コーラで溶けるのは〝骨〟ではなく〝歯〟の成分

私たちの身の回りには、決して健康にいいものではないと分かっていても、つい手を伸ばしたくなるものがたくさんあります。例えば、ジャンクフードや炭酸飲料などが代表的でしょう。

とりわけコーラについては、昔から「骨を溶かす成分が入っている」などとまことしやかにいわれています。これが事実なら、飲めば飲むほど健康を損なうのではないかと不安になりますが……。このうわさはほんとうなのでしょうか?

「コーラには炭酸だけではなく、実はリン酸のような強い酸が添加されています。リン酸は炭酸と比べて100倍も強力な酸で、これに触れると歯のカルシウム成分が溶け出してしまうのは事実です。ただ、コーラを飲んでも骨とリン酸は触れないため、骨が溶けることはありません」

そう語るのは、医師でもある東京農業大学名誉教授の田中越郎たなかえつろう先生です。なぜそうした強い酸をわざわざ加えてあるのかというと、コーラには砂糖が加えられているため、ばい菌が繁殖して腐敗するリスクが高いからとのこと。つまり、強力な酸でばい菌の繁殖を防いでいるわけです。

さらに田中先生によれば、「リン酸は蒸発しないため、開栓から時間がたって気が抜けた状態であっても、強い酸性度を保ったままなのです」とのこと。こうなると、コーラだけではなく炭酸水全般に同じことがいえるのではないかと不安になりますが……。

「いえ、こうしてリン酸などを加えてあるのはコーラのような甘い炭酸飲料くらいだと思いますよ。砂糖を加えていない純粋な炭酸水であれば、酸性度は極めて低いので心配無用です。どうしてもコーラを飲みたいのであれば、直後にすぐ歯磨きをするか、せめて水を飲んで口内を洗い流すのがおすすめです」

特に歯磨き粉はアルカリ性の成分で構成されているため、コーラの酸を中和する作用があるそうなので効果絶大とのこと。

それにしても、コーラという身近な飲料に、こうしたリスクが潜んでいるのは、考えてみれば怖い話です。実は、これは多分にメーカー側の事情によるものだと、田中先生は警鐘を鳴らします。

「例えば、ビタミンCを含む飲料はたくさんありますが、これは酸化防止剤としての役割を狙ったもの。残念ながら、〝消費者にビタミンCをたくさんとってもらって健康になってほしい〟という親切心からではないのです」

健康寿命を少しでも長く保つためには、こうした確かな知識を持って日頃の食生活を考える必要があるようです。