プレゼント

第28回 予約を取るのが苦手な私のライフハック

ADHD女子・雨野千晴のうっかりさんでもちゃっかり生きる!

雨野 千晴

予約を取るのが苦手な私のライフハック

[あめの・ちはる]——北海道生まれ。北海道教育大学札幌校卒業。公立小学校教員として10年間勤務。2017年にADHD(不注意優勢型)と診断。現在はADHD専門ライフコーチ、NPO法人代表理事、福祉事業所スタッフなど"多動な"複業活動を展開中。

昨日は次男の参観日でした。私と次男はADHD脳タイプ・ダブルのうっかりコンビです。その自覚があるからこそ、うっかり歴44年の私は、学校の年間予定が出た時点で、Googleグーグルカレンダーに日にちを入れておきました。しかし! 時間の把握をしておらず……。前日の夜に慌てて「明日は何時だっけ!?」と本人に確認するも、うっかり仲間の次男はプリントなんてもちろんなくしています。私も次男も、「たぶん5時間目だよね~」といい合いながら当日を迎えました。

5時間目の時間になって学校に向かうと、ん? なんだか嫌な予感。学校を出てくる保護者がちらほらいるぞ……。長男も通っていた小学校なのに、5時間目がいまだに何時からかよく分かっていない私は、次男が教えてくれた時間をどうやら聞き間違えてしまったようなのです。

急いで教室に向かったものの、到着した瞬間、まるでコントのように終礼のチャイムが鳴ったのでした。ゴーン。

そんな感じで、相変わらずスケジュール管理と把握が苦手です。美容室や歯科医院などの予約を入れるのも苦手。自分が行きたい場所へ行く、会いたい人に会う、そういう予定はどんどん入れてしまうのですが、「やらなきゃいけない」と決まっているものに関しては、あっという間に優先順位が下がってしまいます。また、「今、この瞬間にやりたいこと」の優先度が高くなりがちなので、「予約」という未来の約束に時間を拘束されることに漠然とした抵抗感があるんですよね。

「よし、予約しよう!」と腹をくくっても、予約を取るためには……

スケジュールを確認する
予約の候補日を決める
予約の電話をする
決まった予約日時をカレンダーに入れる

など、細かいタスクがけっこうありますよね。できる人にとってはそんなに難しくないことかもしれませんが、この「予約のためにやること」自体も私にとってはなかなかハードルが高いのです。すると、「めんどくさいな……やっぱり今度でいいかな……」となり、ますます予約がしづらくなってしまいます。

そんな私のライフハック(日常生活を効率的にするための工夫)は、当日に思い立ってふらりと立ち寄れるところを探しておくこと。今、私が通院している精神科は、今時珍しく初診以外の患者は予約しなくてもていただけるところなんです。もちろん予約の方が優先で、待ち時間は長くなります。それでも、私の場合は待っている間に本を読んだりスマートフォンを見たりしていれば、あっという間に時間がたつので気になりません。

美容室も、思い立った時にふらりと行けるところに行っています。「予約が苦手」を克服するために、そもそも「予約をしない」という最強のライフハックを編み出しました(笑)。しかし、歯医者ばかりはどうにもなりません。行かなければ! と思って1年たってしまいました……。この連載を決意表明として、今日予約を取りたいと思います。

冒頭に書いた、間に合わなかった参観日の件ですが、さすがの私もちょっと落ち込みました。教室から出てきた担任の先生に「時間を間違ってしまって、今着きました……」と伝えると、先生は次男のがんばっていたところをたくさん話してくださいました。それをひそかに近くで聞いていた次男は先生に褒めてもらえたことがうれしかったようで、まんざらでもない表情で帰りじたくをしていました。

先生の優しさとフォローのおかげでなんとか乗り切れた(!?)うっかりコンビの参観日でした。これで終わった終わったとせずに、次の参観日こそ、さっそく今から時間を調べておこうと思います。

イラスト/雨野千晴