地と図の動物 解説
さて、絵の中で、黒いネコに隠れた、ひっくり返っている灰色のイヌを見つけることはできましたか? イヌとネコの色を入れ替えてみたのが下の絵です。今度はイヌがかなりしっかり認識できるのではないでしょうか。どうも明度が暗いほうが「図」として捉えられやすいようです。
次に下の絵をご覧ください。イヌの灰色の明度だけを、元の絵よりも暗い色に置き換えたものです。イヌの存在感が増したのではないでしょうか。
今回は図と地という心理概念の〝明度〟に注目しました。二色を使った絵の場合、色の明度が暗いほうが「図」として認識されやすいと考えられます。また、今回のようにひっくり返っているイラストは「地」として認識されやすくなるのかもしれません。