365調査隊
日常生活の中でいつの間にかできている肌のシミ。見た目に大きく関わるシミを消す方法として美容クリームがありますが、果たして効果は期待できるのでしょうか……。肌のシミに関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。
シミの予防はできても消すことは難しい
人は誰しも、いくつになっても健康的で美しくありたいもの。しかし、年齢を重ねていくと、ある時期からどうしても気になりはじめるのが、老人性のシミです。
ちまたではシミを消す美容クリームも売られていますが、ほんとうに効果があるのでしょうか? SOグレイスクリニック院長の近藤惣一郎先生にお聞きしました。
「シミとは肌にメラニン色素が沈着して、地肌よりも濃く見える部分のことです。その中でも、紫外線や加齢が原因で発生するものを『日光性黒子』と呼びます。これは別名、『老人性色素斑』ともいわれ、主に顔や手など、日焼けしやすい部位に現れるのが特徴です」
「日光性黒子」の対処法としては、レーザー治療、あるいはアミノ酸の1種であるトラネキサム酸やビタミンC配合の美容液を使うなど、いくつかの方法があります。近藤先生によれば、なによりも大切なのは紫外線対策なのだそうです。
「市販の美容クリームでシミを完全に消すことは難しいでしょう。シミの原因となるメラニンの生成を抑制するなど、新しくシミができるのを予防する効果はあっても、すでに発生しているシミを消す効果は残念ながら期待できません」
メラニンの生成を抑える働きがあるのは、ビタミンC誘導体や4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)といった成分。シミ予防を考えるなら、これらが配合されたクリームを選ぶのが重要です。
「ビタミンC誘導体は肌のターンオーバーを促しますから、たるみやシワを防ぐ効果もあると考えられます。ナールスゲンやレチノールといった成分も同様です」
ちなみに、近藤先生自身も、日頃から極力シミを作らない生活を心がけているのだそう。その秘訣を聞いてみました。
「私は週に1度のペースで海釣りに出る生活を、かれこれ20年以上続けているので、なおさら紫外線対策と肌のアフターケアが欠かせません。具体的には、1時間おきに日焼け止めを塗ったり、保湿を徹底したりしています」
人生百年時代だからこそ、ただ長生きするだけではなく、健やかで楽しく過ごすことが大切です。近藤先生は次のように語ります。
「シミのせいで自分に自信が持てなくなり、心身ともに老け込んでしまうこともあるでしょう。いくつになっても『もうこの年だから……』という考え方はもったいないですよ」
思い立ったが吉日。いますぐシミ対策を始めましょう。