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男性より女性のほうが寿命が長いのはなぜ?

健康常識のウソ・ホント[365調査隊が徹底検証!]

365調査隊

女性は男性より約6歳長生きする。この「6年の差」は、いったいどこから生まれるのでしょうか? 男女の寿命に開きがある要因について、調査隊が真相に迫ります。

男女の寿命の差は性差が大きく関係

日本人は長寿で知られています。厚生労働省が公表している2024年簡易生命表のデータによると、日本人の平均寿命は女性がおよそ87歳、男性がおよそ81歳で、特に女性については40年連続で世界1位という、誇らしい実績があります。

日本人が長寿である理由としては、和食の栄養バランスのよさや、国民皆保険制度による充実した医療などがよく挙げられます。しかし、同じ環境でありながら、男女でこれほど差が開くのはなぜなのでしょうか?

「それは男女の生物学的な基盤の違いに理由があるんです」

そう語るのは、ようきくち内科 肝臓・内視鏡クリニック院長のきくまさひろ先生です。

「女性ホルモンであるエストロゲンは、血管の柔軟性を保ったり、脂質代謝を整えたり、動脈硬化の進行を抑えたりするなど、強力な保護作用を備えています。そのため、若年から中年にかけての女性はしんきんこうそくや脳卒中の発症リスクが男性よりも低く、閉経後にエストロゲンのぶんぴつが急減しても、男性より遅れて病気が進行するため、結果として寿命の差が生まれるわけです」

体の丈夫さには、男女で生まれながらに差があるという話は、前号でも菊池先生にご解説いただいたとおり。そのためおのずと、かかりやすい病気にも男女で明確な違いが生じます。

「女性が前述のエストロゲンの作用によってさまざまな疾患リスクを抑えられているのに対し、男性ホルモンであるテストステロンには、脂質代謝に不利に働く側面があります。そのため、男性は内臓脂肪を蓄積しやすく、インスリン抵抗性が早期から進行しやすいので、メタボリックシンドロームや2型糖尿病、脂質異常症、脂肪肝などが若いうちから多く見られます」

さらに、こうした先天的な要因以外にも、男性が女性より短命化する理由は考えられると、菊池先生は指摘します。

「例えば、男性は喫煙や飲酒率が高く、危険行動に出やすい傾向があることも、中年期までの死亡率を押し上げる一因といえるでしょう。さらには、ストレスを抱え込みやすく、相談や受診をためらう傾向が見られ、生活習慣病の発見や治療開始が遅れがちである点も見逃せません」

先天的なものはしかたがないとしても、こうした社会的・行動的な要因については、日頃から改善を心がけたいところです。

「医学研究は男性の体を中心にデータが積み上げられてきたという歴史的な側面がある」と語る菊池先生。男女の性別に応じた医療と向き合うことが、病気の予防や早期発見、治療の最適化につながるのです。


365調査隊とは
ちまたにあふれる健康常識の真偽を検証するために編集部員とプロアスリートで健康マニアのライター・友清哲ともきよさとし氏が「365調査隊」を結成! 各分野の専門家を取材して健康常識の真実に迫ります!

菊池真大先生が診療されている用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニックの連絡先は、
〒158-0097 東京都世田谷区用賀4-19-5 ☎03-6447-9811です。