雨野 千晴
「きっと大丈夫」から生まれるハッピーなパワー!

発達障害と知的障害のある長男は、放課後等デイサービス(障害や特性のある子どもが放課後や休暇中に生活・学習・社会性を育むサポートを受けられる福祉サービス)に、週1回通っています。そこではスタッフと子どもたちが「スロバラSUNZ」というバンドを結成し、普段の活動のみならず、地域のさまざまなイベントやステージに登場して演奏を披露しています。先日、このバンド結成10周年のワンマンライブがありました。
チケットを購入しようとした時に、ふと、「おばあちゃんも誘おうかな?」と思いつきました。子どもたちは毎週日曜日、お父さん(元夫)とおばあちゃん(元義母)のところに遊びに行っています。そこで、子どもを通してチケットをお渡ししました。
長男の障害のことを夫の次に話したのは義母でした。私の母は心配性なので伝えることにハードルがありましたが、義母はそうではなかったからです。実は、私が話す前から長男の自閉傾向に早々に気づいていたそうです。それでも向こうから何かいわれることはなく、長男が2歳で診断が出たことを伝えた時に、「いつ話したらいいかと思っていた」と、これまでこっそり購入していたという発達障害に関する雑誌を見せてくれました。「こういうのも、買っちゃっていたわよ」なんて、一緒に笑って、泣いてくれたおばあちゃん。たぶん私がいわなければ、向こうからはずっと話すつもりはなかったんじゃないかなぁと思います。
孫のことを大事に思ってくれて、心配してくれていたのは、母も義母も同じだと思います。だけど、それを口に出さずにこちらが相談するまで見守ってくれていたんですね。
今回、ライブに来てくれた義母と長男のツーショット写真を撮ってあげようと義母のスマートフォンを借りると、壁紙にはまだ小さかった長男・次男が自転車の練習をしている姿が映っていました。あのころと変わらず、子どもたちを思ってくれていることに胸がいっぱいになりました。
肝心のライブも、大盛り上がり! 型にはまらない、子どもたちとの日常から生まれたポップなオリジナル曲と、エネルギーあふれる子どもたちのパワフルなパフォーマンス。太鼓や鉄琴を奏でる子もいれば、ステージを走り回る子、寝そべっている子、いろんな子どもたちが自由に生き生きとステージに立っていました。ちなみに長男は片足で立ちつづけるという謎のパフォーマンス(笑)。
スロバラSUNZのライブを見るたびに、「ああ、自由だな」と思うし、そんな表現ができるのは、日頃からみんながこの事業所に安心して通っていて、自分らしくいられる居場所になっているからなんじゃないかな、と思うのです。そして、ほんとうは誰だって自由に自分らしくいていいのだと感じます。
私の連載を読んでくださった方の中には、お孫さんの発達障害を心配されている方も多いと伺いました。でも、時に信頼してゆだねることが、相手の安心につながります。安心して自分らしく生きることができれば、それがたとえ「普通」と違って見えたとしても、そこから〝ハッピーなパワー〟が生まれてくることもあると私は思っています。
さて、このコラムは今回でおしまいです。あなたがこの先不安になった時、心配になった時は、私のことを思い出してくださいね。「雨野さんも、うっかりしながらがんばっているのかな?」「私も大丈夫かな」って、思ってもらえたらうれしいです。また、どこかでお会いしましょう!




