プレゼント

日本からガンをなくす「原因療法」って何ですか?

がん治療の進化を目撃せよ!

日本先進医療臨床研究会代表 小林 平大央

複数のサプリを使う栄養カクテル療法で体調不良や病気の根本的な原因に迫る

[こばやし・ひでお]——東京都八王子市出身。幼少期に膠原病を患い、闘病中に腎臓疾患や肺疾患など、さまざまな病態を併発。7回の長期入院と3度死にかけた闘病体験を持つ。現在は健常者とほぼ変わらない寛解状態を維持し、その長い闘病体験と多くの医師・治療家・研究者との交流から得た予防医療・先進医療・統合医療に関する知識と情報を日本中の医師と患者に提供する会を主催して活動中。一般社団法人日本先進医療臨床研究会代表理事(臨床研究事業)、一般社団法人ガン難病ゼロ協会代表理事(統合医療の普及推進)などの分野で活動中。

最近、新型コロナウイルス感染症の関連ニュースなどで「抗体カクテル療法」という治療法をよく耳にするようになりました。抗体カクテル療法は「カシリビマブ」と「イムデビマブ」という二つの新薬(中和抗体)をカクテルして(混ぜ合わせて)点滴投与する治療法です。

抗体カクテル療法では、中和抗体によって新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質が人間の細胞に結合するのを阻止して細胞内に入るのを防ぎます。カシリビマブやイムデビマブという二種類の中和抗体をカクテルして使うことで、新型コロナウイルスが変異してスパイクたんぱく質の構造が多少変わったとしても効果が落ちないようになっています。

抗体カクテル療法の対象者は、抗ガン剤治療や免疫抑制剤(ステロイドなど)を使っている患者さんです。こうした患者さんは免疫力が低下しているため、新型コロナウイルスに感染するとほぼ間違いなく重症化します。そこで、検査で陽性と診断された場合は、すぐに入院して抗体カクテル療法を行います。投与するタイミングは無症状か発熱やセキのみといった軽症の段階で、抗体カクテル療法の後に重症化しなければ「効果あり」と判定されます。

ところで、二つ以上の治療薬を組み合わせる治療法は、新型コロナウイルス感染症に限った話ではありません。統合医療の世界では昔から行われている一般的なもので、作用や効果の異なる二種類以上の栄養療法をカクテルして使う「栄養カクテル療法」という治療法も古くから存在しています。栄養カクテル療法は、新型コロナウイルス感染症に対する抗体カクテル療法とは違って、体調不良や病気の根本的な原因を解決するための「原因療法」であることが多いのが特長です。

病気の治療法には、大きく分けて「対症療法」と「原因療法」という二つの方法があります。対症療法は、その名が示すとおり「症状に対処する治療法」です。代表的な対症療法には薬や手術などがあります。薬や手術などによって体調不良や病気は一時的に改善するかもしれませんが、ほんとうの意味で完治したわけではありません。

例えば、手術は腫瘍(しゅよう)というできもの(症状)を切り取ったにすぎず、「なぜ腫瘍ができたのか?」という根本的な原因を取り除いてはいません。手術は、ガンの根本的な原因を取り除くための時間的な猶予(ゆうよ)を与えてくれただけの対症療法なのです。

そういう意味では、抗体カクテル療法も対症療法であり、病気の根本的な治癒(ちゆ)を目的とした治療法ではありません。新型コロナウイルスを攻撃して全滅させる原因療法は患者さん自身の免疫(白血球)が行っているのです。そのため、根本的な原因である新型コロナウイルスを攻撃する免疫を増産し、その働きを強化させる栄養療法などを抗体カクテル療法と組み合わせる治療法がより優れていると考えられます。

病気や不調の根本的な原因を解決する原因療法は病気の原因を特定し、その原因を取り除くことによって完治を目指す治療法です。ただし、病気によっては原因が特定できない場合も存在します。また、感染症のように短時間で病気が発生する場合は別ですが、ガンや心臓病、脳卒中、糖尿病、高血圧などのように長い時間をかけて発生する病気の原因を取り除くには、同様に長い時間をかける必要があります。そのため、原因療法は対症療法のように「すぐに治る」という即効性がないのが一般的です。現代医学では、多くの病気や不調に対して即効性に優れた対症療法と、時間をかけて根本的な原因を取り除いて再発を防ぐ原因療法の二つを並行して行うことが最良の治療法だと考えられています。

『ガンは5年以内に日本から消える!』
(宗像久男・小林英男共著、経済界新書)

では、病気や体調不良の根本的な原因とは何なのでしょうか? そのヒントが、病気の完治や体調不良の改善を実現するための新しい医学体系である「進化医学」や「分子栄養医学」という知見に隠されています。現時点の標準治療だけでは治せない病気を治すことを目指す日本先進医療臨床研究会では、こうした新しい医学の知見から、多くの体調不良や病気は「人類の進化スピードの遅さ」と「文明の発達スピードの速さ」のミスマッチに主な原因があると考えています。

人類の身体の進化は私たちが考えている以上に遅く、現代人の身体はいまだに農耕や牧畜が始まる前の約一万年前の生活に最適化されています。そのため、多くの人は変化の速い現代文明に身体がついて行かず、ミスマッチが発生しているのです。

「進化」と「文明」のミスマッチに起因する「不足」と「過剰」という現象に、現代人の体調不良や病気を解決するカギがあると考えています。そして、「不足」と「過剰」を解決するための方法が当会で推奨している「栄養カクテル療法」であり、「生活習慣改善法」なのです。

ミスマッチによる「不足」の代表は「運動・睡眠・日光・愛情・ビタミン・ミネラル」などです。一方、「過剰」の代表は「重金属・食品添加物・農薬・カロリー(加工食品・塩分・糖分・脂肪分・乳製品・小麦粉)」などです。そして、「不足」や「過剰」を解決する方法の一つが栄養カクテル療法という治療法です。栄養カクテル療法には、次のようなものが挙げられます。

体内酵素の活性を高める超微量ミネラル補給の「LMM(リキッドマルチミネラル)」と、血栓溶解(けっせんようかい)に優れ、動脈硬化や心臓病・脳卒中などの予防に働く「ルンブロキナーゼ」を併用する方法

血中酸素供給の(かなめ)であるヘムの増産を促進して体内の重金属の解毒(げどく)を促す「有機ゲルマニウム」と、ヘムの構成材料となる「5-ALA(アラ)(5アミノレブリン酸)」を併用する方法

免疫の要である腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を正常化する「白金(はっきん)・パラジウムナノコロイド溶液」と、必須栄養成分の集合である「MVM(マルチビタミン&ミネラル)」を併用する方法

栄養カクテル療法は、作用の異なる二つ以上の栄養サプリメントなどを併用することで、栄養療法の作用や効果の相乗効果を狙うものです。本来、時間のかかる原因療法の治療効果をできるだけ短時間でもたらそうとする画期的な治療法なのです。