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ADHD女子・雨野千晴のうっかりさんでもちゃっかり生きる!第7回

ADHD女子・雨野千晴のうっかりさんでもちゃっかり生きる

雨野 千晴

ADHD脳タイプにおすすめのチャレンジとは?

[あめの・ちはる]——北海道生まれ。北海道教育大学札幌校卒業。公立小学校教員として10年間勤務。2017年にADHD(不注意優勢型)と診断。現在はADHD専門ライフコーチ、NPO法人代表理事、福祉事業所スタッフなど"多動な"複業活動を展開中。

新しい年の始まり。さぁ、やるぞー! そんな気持ちで、1年の抱負を紙に書いたり、日記を書きはじめたり……ワクワクな時期ですよね。

さて、そんなところに水を差すようで申し訳ないんですが……。私はある年の大掃除をしていた時、新年から意気込んで3日で終わった過去の日記帳を見つけてしまいました。いやぁ、愕然とするのを通り越して「これぞほんとうの3日坊主!」と笑ってしまいました。

以前「継続弱者」として続けることが苦手なADHD脳のお話を書きましたが、私たちってそういうところ、ありますよね……。で・す・が!

ご安心ください! そんな私でも続いていることがあるんです。それは「発信すること」です。

私は長男の発達障害が分かったことをきっかけに、9年前からブログを始めました。そこから徐々にそのほかのSNSでも発信を始め、今は子どものことだけでなく、さまざまなことを発信して仕事にもつながっています。

ADHD傾向のある方は、発信に向いているように思うんです(私調べ)。理由はいろいろあるのですが、一つは新しいことにチャレンジするのが得意ということです。

ADHD脳の人って「ファーストペンギン」だと思うんです。ファーストペンギンとは、天敵がいる危険も顧みず、最初に群れから離れて海へ飛び込むペンギンのこと。転じてリスクを承知で新しい領域にチャレンジする人をファーストペンギンというそうです。なんだかかっこいいのですが、その実は失敗するかどうかを考える前に、うっかり行動に出てしまうだけなのかもしれません(笑)。

しかし! その「うっかりファーストペンギン」な特性を生かして発信していこう、ということなのです。今、世の中のほとんどの人はスマートフォンを持っていて、誰でも気軽に発信することができます。そこで、あなたの新たな挑戦をその過程から失敗も含めて見せていく。すると、見ている人にとっては一つのエンタメとなり、「なんだか面白そうな、新しい情報を提供してくれる人」として認知され、応援してくれる仲間が現れたり、新しい出会いにつながったりしていきます。

というわけで。今年なにか新しいことにチャレンジしてみようかな?と思っているADHD仲間にはぜひ!SNS発信をおすすめします。

何から発信すればいいか分からない、という声が聞こえてきそうですが、難しく考える必要はありません。私がいつもSNS発信の講座でお伝えしているのは、まずは「日常の中のエピソードについて、自分がほんとうに思っている内容を書く」ということ。この、「ほんとうに思っていること」というのがポイントです。

私たちは日々生活している中で、ちょっとしたことでうれしくなったり、がっかりしたり、時には腹が立つこと、悲しいことなんかもありますよね。それはこの世界に生きるすべての人がそうだと思うんです。だから、「自分の心が動いたこと」をキラキラに盛る必要も、かっこよく魅せる必要もない。ほんとうの素直な気持ちを書いてみてください。そうすると、同じような思いをしたことのある方から「分かる!」と共感が寄せられたり、趣味嗜好が似た方がフォローしてくださったりと、共通項のある方とのつながりができていきます。

だんだんと投稿に慣れてきたら、自分がチャレンジしてみたいと思っていることや、自分が好きなこと、興味のあること、好きな本、行ってみた場所、食べたもののレポートなど、あなたの興味や関心が赴いた「心が動いたこと」を書いてみましょう。そこから新しいご縁がつながっていきます。

私の講座には、50~60代で、初めてSNSをするという方もお見えになります。年齢も経験も関係ありません。今まで「見るだけ」だった方も、新年のスタートで投稿に挑戦してみてくださいね!

イラスト/雨野千晴