365調査隊
1日の疲れを癒やすお酒。ダイエット中でも「カロリーがないから飲む」という人は少なくありません。油断して深酒が連日になっても、果たしてダイエットは成功するのでしょうか……。調査隊が真相に迫ります。
お酒が〝エンプティ〟なのはカロリーではなく栄養!
忘年会にお正月、そして新年会と、お酒をたしなむ機会が立て続けとなった年末年始。健康面もさることながら、増加ぎみな体重を気にしている人も多いのではないでしょうか?
ところで、お酒といえば、アルコールはエンプティ(空っぽ)カロリーのため、肥満にはつながらないという話をよく耳にします。それがほんとうなら、ダイエット中でも気にせずどんどん飲めそうですが……。
「いえ、それは誤解です。この場合の〝エンプティ〟とは〝カロリーがゼロ〟なのではなく、〝栄養がゼロ〟という意味なんです。炭水化物やたんぱく質といった、人体に有用な栄養素がほぼ含まれていないというだけで、アルコール自体にもエネルギー(カロリー)は含まれています」
そう語るのは、戸塚西口さとう内科の管理栄養士、福田春さんです。福田さんによると、炭水化物やたんぱく質などのエネルギーが一㌘当たり約4㌔㌍であるのに対し、アルコールは一㌘当たり7㌔㌍ほど。つまり、十分に太る原因になるわけです。
「ただ、アルコールのエネルギーはほかの栄養素と異なり、熱として分解されやすいのも事実です。そのため、このような誤解が生まれたのでしょう」
また、お酒と一緒に口にするおつまみが肥満の元になるというのもよく指摘されますが、これは〝なにを食べるか〟が大切なのだと福田さんは語ります。
「お酒のお供には、たんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれたおつまみを選ぶことをおすすめします。たんぱく質には肝臓を助け、ダメージを修復する働きがありますし、ビタミンやミネラルはアルコールによって失われやすい栄養素なので、随時補給しておきたいですね」
なお、空腹状態での飲酒は胃の粘膜を刺激し、血中アルコール濃度を急上昇させてしまうため、お酒を飲む時には食事も一緒にとるのが望ましいのだそう。それでも、ほろ酔いで気分がよくなると、ついつい飲みすぎてしまうもの。上手なお酒との付き合い方について、福田さんにアドバイスをいただきました。
「一般的に、純アルコール摂取量は、1日約20㌘が適量とされています。これはアルコール度数5%のビールなら500㍉㍑、同じく7%のチューハイなら350㍉㍑に相当する量です。飲みすぎを防ぐには、あらかじめ飲む量を決めておくことが大切でしょう。女性や高齢者、あるいは少量の飲酒で顔が赤くなるなど、アルコール代謝能力の低い人は、さらに少ない摂取量を心がけるべきです」
「酒は百薬の長」といわれます。末長くお酒と付き合うためにも、よく肝に銘じておきましょう。