プレゼント

オミクロン強毒変異株から人類を守る「IgG4抗体検査」と「IgY抗体」とは?(前編)

がん治療の進化を目撃せよ!

日本先進医療臨床研究会理事 小林 平大央

急速に末期ガンになる「ターボガン」や若年層の帯状疱疹、複合感染が意味するものとは?

小林平大央
[こばやし・ひでお]——東京都八王子市出身。幼少期に膠原病を患い、闘病中に腎臓疾患や肺疾患など、さまざまな病態を併発。7回の長期入院と3度死にかけた闘病体験を持つ。現在は健常者とほぼ変わらない寛解状態を維持し、その長い闘病体験と多くの医師・治療家・研究者との交流から得た予防医療・先進医療・統合医療に関する知識と情報を日本中の医師と患者に提供する会を主催。一般社団法人日本先進医療臨床研究会理事(臨床研究事業)、一般社団法人不老細胞サイエンス協会理事(統合医療の普及推進)などの分野で活動中。

急速に悪化するガンを、これまでの通常のガンと区別して「ターボガン」と呼んで問題視している医師や医療者が増えています。前年の定期検診でなんの問題もなかったにもかかわらず、翌年の定期検診でいきなりステージⅣの末期ガンと診断されるケースが増えているのです。

従来の一般的なガンでは、こうしたケースは考えられませんでした。通常の検診や検査では、ガンは1㌢の大きさになるまで発見されません。そして、ガンがこの大きさになるまでには約十年かかります。ガンが発見される1㌢の大きさになってから、いわゆる末期といわれるステージⅣの状態になるまでにはさらに数年を要するのが普通だからです。

ガンを患って治療している患者さんがある日突然増悪して死亡してしまうケースも増えています。これも通常のガンでは考えられない進行速度です。日本先進医療臨床研究会で治療結果の収集研究を計画している「白川メソッド」「佐藤メソッド」などの末期ガン治療でも同様のケースが増えてきています。

白川メソッドとは、京都大学医学部教授や英国オックスフォード大学医学部講師を務めた白川太郎先生が提唱する治療法です。「マイクロCTC(血中循環腫瘍細胞)検査」でステージⅠになる前の微細ガンであっても超早期に発見し、イオン化ヨウ素水の服用や温熱療法、食事療法などを組み合わせることで、末期ガンでも改善していきます。

一方、佐藤メソッドは、宇都宮セントラルクリニック理事の佐藤俊彦先生が提唱するガン治療法です。局所放射線治療であるサイバーナイフやトモセラピー、CBD、タヒボなど、各種の免疫治療を組み合わせたガン治療で最小の負担で腫瘍組織を縮小させ、同時に免疫力を最大化してガンを消していきます。

これまでの通常のガンであれば、末期といわれるステージⅣのガンでも8割以上の治癒報告がある白川メソッドや、同様に末期ガン患者の6割以上で長期的な治癒報告がなされている佐藤メソッドにおいても、それまで順調に推移していた方が突然増悪して死に至るケースが増えていると報告が上がっているのです。

また、これまでは考えられなかった病態として帯状疱疹が挙げられます。帯状疱疹の原因は水痘・帯状疱疹ウイルスの感染で、加齢やストレス、疲労によって免疫力が低下してウイルスが再活性化することで発症します。通常は60代未満での発症はまれですが、最近では50代未満の若年層で帯状疱疹が増えており、驚くことに30代で発症する患者もいるのです。

さらに、「複合感染」という異常事態も発生しはじめました。複合感染とは、通常は同時に感染しないとされている感染症を同時に発症することです。例えば、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザはこれまで同時に発症することはないとされてきましたが、最近は同時に発症しているケースが多いのです。

また、インフルエンザA型とB型も同時に発症することがなかったため、通常インフルエンザワクチンもA型かB型のどちらかが選定されてきました。ところが、最近は新型コロナウイルスやインフルエンザだけではなく、鼻風邪の原因ウイルスであるライノウイルスなど、さまざまな感染症に同時にかかる複合感染を発症する人が増えているのです。

ターボガンや若年層の帯状疱疹、感染症の複合感染の原因は一体なんなのでしょうか? 一つ分かっているのは、これらの現象はどれも「免疫力の低下」という状況なしには発生しないということです。そして、ここ数年でこうした現象が初めて現れ、最近になって発生が増えている事実から考えて、最近出現した現象と相関関係があるのではないかということです。

『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』佐藤俊彦著(PHP研究所)

そこで、最近発生した出来事で、医療や健康に影響を与える事象を考えてみると、最も気になるのは新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)と、新型コロナウイルス感染症を予防するために世界各国で人体に投与された、過去に前例のないメッセンジャーRNA型の新型コロナワクチン、不活化型のワクチンなどでしょう。そこで、これらと関連する事象とターボガンや免疫低下による疾患との相関関係を世界中の研究者が調査しています。

そうした中で、新型コロナウイルス感染症で問題となった非常に感染力の強い変異株であるオミクロン株に注目が集っています。オミクロン株は単に感染力が強いだけではなく、過去に猛威を振るったエイズウイルスやマーズウイルスのように免疫の要であるリンパ球に感染し、機能不全に陥らせて免疫力を下げる働きがあるという事実が分かってきたのです。ただし、オミクロン株の免疫不活化の働きはそれほど強力ではなかったため、当時はあまりその事実が知られずに大きな問題とはなりませんでした。

ところが最近、オミクロン株が強毒化し、強力にリンパ球に感染して免疫力を大きく下げる変異株として登場しているのではないかという危惧が広がりつつあるのです。こうした事態に対して、世界中のウイルス学者が警鐘を鳴らしはじめています。日本でも、抗体医薬研究の第一人者として著名な村上康文先生(東京理科大学名誉教授)がインターネットなどでこの危惧について発信しています。村上先生は、メッセンジャーRNA型の新型コロナワクチンには、免疫抑制効果で日和見感染症(健康な状態では感染しないような弱毒性の病原体による感染症)を増加させる危険性に加え、頻回接種で自己免疫疾患発症のリスクが高くなること、接種するほど感染拡大を起こすことなどを指摘しています。

もう一つ分かってきたことがあります。2021年7月に日本の理化学研究所は「インフルエンザウイルスに対する免疫反応はワクチン接種とウイルス感染で異なり、ウイルスによる自然感染のほうが質の高い中和抗体を産生する」と発表しました。これを分かりやすくいうと、ワクチン接種では少し変異するたびに何回も同じようなウイルスに感染するが、自然感染の場合は同じようなウイルスの変異株には二度と感染しないということです。実は、この事実は新型コロナウイルスに関しても当てはまるのです(後編に続く)。