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【レビュー】『べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章』を読んでみた

朝倉優

『健康365』編集部の朝倉優です。

「つれづれ365 編集部ぶろぐ」にアクセスしていただき、誠にありがとうございます。

月刊誌『健康365』は、“体、脳、心が若返る人生応援マガジン”をコンセプトとした、全国の書店で販売されている健康情報誌です。

健康365』では発達障害や精神障害について特集を組んでおります。その中で、私は知らなかったのですが、社長から『べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章』という本があることを教えてもらったんです。

読んでみると、精神障害の人が活躍するなんとも不思議な会社であることが分かりました。

今回は、『べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章』の中で特に興味深かった内容をご紹介します。

「偏見・差別歓迎集会」

べてるの家には精神分裂症やアルコール中毒など精神や心に傷を負っている人がほとんどのため、地域住民に迷惑をかけていたという件がありました。

迷惑をかけている自覚があることはとても素敵ですが、地域住民と立場からしたら迷惑極まりない話ですよね。

多くの場合、地域住民の人が建前で「仲良くしましょう」といい、本音では「迷惑だなぁ」と思われて打ち解けないまま平行線。

私も、地域住民の立場だったら同じ感情を抱いている自信があります。

しかし、べてるの家の立役者である向谷地さんは一味違う。

浦賀という町のために精神障害者が昆布を袋詰めして、全国に配送する仕事を始めます。

そして、仕事を通じて横のつながりができ、「精神障害について学ぶ会」(現在は「こころの集い」)という地域住民とべてるの家のメンバーや関係者が語り合う場を作ったんです。

その会の最初のタイトルが「偏見・差別大歓迎! けっして糾弾いたしません」でなんともキャッチー。

向谷地さんのセンスをひしひしと感じます笑。

向谷地さんが最初のあいさつが本の52ページに紹介されているので、ぜひ興味がある人は読んでみてください。

その中で、住民の人から「べてるの人たちが正直いってこわかった」という発言が出たそうです。

私も精神障害者に対して知識がないため、その場にいたら同じ発言をしていたと思います。

地域住民の本音を打ち明けられるくらい穏やかな雰囲気の場を作れたことで、精神障害者と地域住民の交流ができて理解が深まったといいます。

本音を話すのはとても勇気のいることであり、「正直いってこわかった」と発言した住民の人は素敵で勇敢な人だと思いました。そして、精神障害者の人を理解したいという思いを持っている点もいいですよね。

ただ、よかれと思って本音で話した結果、あつれきが生まれることは少なくありません。

べてるの家のように、相手が本音を受け入れる体制があるからこそうまくいった気がしています。

相手が望んでいないのに本音をぶちまけたら、ただの感じの悪い人になってしまい、関係性の悪化に拍車をかけるだけです。

なので、本音を話す場合は相手が本音を受け入れてもらえる体制があるかを察する必要があります。

べてるの家のように「けっして糾弾いたしません」といってもらうか、バッチのようなものがあったら察する必要がないのでとてもらくですよね笑。

幸い、いまの会社や我が家は本音で話せる雰囲気で受け入れてもらえる体制が整っているので、恵まれているなと思っています。

最後に

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。 『べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章』に興味を抱いた人は、下のリンクからすぐに購入ができます。