プレゼント

人気管理栄養士が伝授 家族みんなで食べられるおいしい腎臓病食

糖尿病・腎臓内科
管理栄養士/家庭料理研究家 池上 保子

寒さに負けない!腎臓と胃腸に優しいメニューで冬を乗り越えよう

[いけがみ・やすこ]——病院の管理栄養士として治療献立の作成、調理・栄養指導、看護学校講師などの業務に24年間たずさわった後、独立。現在は家庭料理研究家として雑誌やテレビ、新聞などでも活躍中。企業の商品開発に伴うコンサルティングや、レストランのメニュー開発にもたずさわっている。

本格的な寒さがやってきました。体力が低下してカゼを引きやすい腎臓病の患者さんは、胃腸に優しい食べ物をとって体を休めることも必要です。

今回ご紹介するのは、消化・吸収がよく体に優しいおかゆ、緑黄色野菜がとれるホウレン草の卵とじ、体が温まるショウガ入りくず湯です。いずれもたんぱく質や塩分、カリウムの摂取量に配慮しつつ、おいしくいただける工夫をしています。

腎臓と胃腸をいたわって、カゼを引かずに冬を乗り越えましょう。

野菜たっぷり ホウレン草の卵とじ

ホウレン草の卵とじ

《材料(1人分)》
ホウレン草…60㌘
ニンジン…20㌘
シメジ…20㌘
卵…1/2個
だし汁…大さじ3
しょうゆ…小さじ1/2

《作り方》
❶ホウレン草はゆでて水に取り、水けを絞って3㌢の長さに切る。ニンジンは3㌢の長さの千切りにしてゆで、シメジは石づきを取り小房に分けてゆでる。
❷鍋に①とだし汁を入れて火にかけ、沸騰したら割りほぐした卵を加える。
❸②の卵が半熟になったら火を止め、少し蒸らして器に盛る。食べる直前にしょうゆをかけることで、少量でも味を濃く感じることができる。

ホウレン草の卵とじ成分表ポイント!
ホウレン草やニンジン、シメジをゆでることでカリウムが流出しやすくなります。だし汁で煮るとうまみが野菜やシメジにしみ込んで、薄味でもおいしく食べられます。

ゴマ油でカロリー増加 心と体に優しいおかゆ

心と体に優しいおかゆ

《材料(1人分)》
米…1/4カップ
水…1.5カップ
クコの実…10㌘
ゴマ油…大さじ1
アボカド…1/4個(35㌘)
しょうゆ…小さじ1/2
サケそぼろ(ビン詰)…20㌘
ダイコン…100㌘
ニンジン…10㌘
🅐 酢…大さじ1
砂糖…大さじ1
ゴマ油…小さじ1

《作り方》
❶洗った米を30分ほど水につけておく。
❷①の水けをしっかりと切り、鍋にゴマ油を引いて中火でこげないようによくいためる。
❸米がつやつやになったら水を加え、沸騰したら鍋底からひと混ぜして、底についた米をはがして火を弱める。鍋のふたをずらし、柔らかくなるまでコトコトと20~30分煮て、煮上がる前にクコの実を入れる。火を止めた後、10分ほど蒸らすとふっくらと仕上がる。
❹アボカドは皮と種を除いて食べやすい大きさに切り、食べる直前にしょうゆをかける。
❺ダイコンとニンジンは千切りにしてゆでて水けを切り、Ⓐを加えて混ぜ合わせてナマスを作る。
❻おかゆを器に盛り、小皿にアボカド、サケそぼろ、ナマスを盛る。

おかゆ成分表ポイント!
米は十分に水を吸わせた後に油でいためると、ふっくらとしたおかゆに仕上がります。ゴマ油を使うとカロリーアップになり、風味も出ます。

カゼ予防に効果的 ショウガ入りくず湯

ショウガ入りくず湯

《材料(1人分)》
くず粉…15㌘
水…150㍉㍑
砂糖…大さじ2
ショウガ汁…少々
すりおろしショウガ…少々
ユズの皮(千切り)…少々
ユズの果汁…少々

《作り方》
❶くず粉を鍋に入れて水大さじ2(分量外)で溶き、水と砂糖を加えて混ぜ、弱火にかける。
❷とろみがつくまで木しゃもじで鍋底から混ぜながら煮る。
❸全体が半透明になって火が通ったらショウガ汁とユズの果汁を加え、さっと混ぜる。
❹③を器に盛り、すりおろしショウガとユズの皮の千切りを乗せる。

ショウガ入りくず湯成分表ポイント!
くず粉は漢方では痛みや熱を取る働きがあるとされています。ショウガ入りくず湯を食べると体が温まり、カゼの予防にもなります。くず粉は、本くず100%のものを使いましょう。水で溶いたくず粉を強火にかけると失敗することがあるので、弱火でゆっくりと混ぜながら煮て火を通しましょう。