丸山
編集長の丸山です。山口県光市にある「光・くすりの医心堂」を訪問しました。代表の山崎秀樹先生は、薬剤師・国際中医師・鍼灸師という3つの顔を駆使して、薬店を訪れる方々の健康づくりに尽力されています。
薬剤師にとどまることなく、国際中医師と鍼灸師の資格を取得されたた背景には、山崎先生の「実際の体に触れることで体が発信している情報が得やすくなり、より的確なアドバイスをお届けできる」という患者さんへの思いがあります。地域住民にとっての医心堂は、健康にまつわるよろず相談所といえる存在。不調に関する悩みを聞くだけでなく、脈診や舌診といった、体に触れられる資格を有することで、訪れる方々の不調の原因をより深く見分けられるようになったそうです。
薬店内には「水ぶくれ状態のタプタプ舌」や「ひび割れ状態のカサカサ舌」など、あらゆる舌の状態の写真が説明用にズラリと並んでいます。舌ひとつ取っても一つひとつの状態に体からのメッセージが込められていて、漢方でいうところの「証(西洋医学でいう病名)」の判断に役立つのだとか。舌の状態から体調の様子を診る舌診については知っていましたが、「舌を診ることで体の中まで診る」なんて、奥が深すぎる世界ですね!
東洋医学や漢方の理論は基礎的な話でも難解に感じてしまうのですが、(理解力がないだけ!?)穏やかで優しい山崎先生は、懇切丁寧に噛み砕いてお話をしていただきました。山崎先生のような方が近所にいらっしゃったら、ちょっとした体調不良のたびに行ってなんでも相談しちゃうかも…。
舌診のエピソードで印象的だったのは、山崎先生いわく、「舌そうじ」の普及によって舌診前に舌をきれいにしてしまう人が多いとのこと。舌診の際は、舌の上にある苔(舌苔(ルビ:ぜつたい))の有無も大事な情報なので、舌診前の舌そうじは逆効果。薬店に来られる方の中には、「山崎先生に舌を診てもらうんだから、舌をきれいにしておきましょう」という気づかいから舌そうじをしてしまうそうです。汚れた舌を見られるのは恥ずかしいという気持ちはよく分かりますが、誤診の原因にもなりかねないとのことなので、覚えておきたいと思いました。