プレゼント

「花粉症予防」のツボ 迎香・印堂

よっしー先生の特効ツボはここでヨシ!

帝京平成大学ヒューマンケア学部鍼灸学科准教授 大山 良樹

[おおやま・よしき]——大阪産業大学経営学部、明治鍼灸短期大学鍼灸学科卒業。明治鍼灸大学助手・講師を経て、2008年から現職。日本東洋医学会、日本健康科学学会所属。

2月に入ると花粉症の季節がやってきます。関東・東海地方ではスギ花粉が多く、九州地方ではヒノキ花粉が多い傾向にあります。

花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」といわれ、鼻水・鼻づまり・くしゃみの三大症状が特徴です。日本国内では、鼻炎にまつわる不快症状を引き起こす花粉が60種類以上もあると報告されています。「花粉症は春に起こる」という印象ですが、鼻炎を引き起こす花粉は1年中飛んでいます。春先のスギやヒノキのみならず、初夏はイネ、秋はブタクサといった花粉の影響で、1年を通して悩まされている患者さんもいるのです。

鼻炎に関するもう1つの原因として、ダニやハウスダストなどがアレルゲン(アレルギーの原因となるもの)によって引き起こされる「通年性アレルギー性鼻炎」があります。最近では、花粉症と通年性アレルギー性鼻炎の併発や複数の花粉に(かん)()する患者さんも増えています。

花粉症が起こるのは、ヒスタミン(かゆみ物質)などが鼻や目の神経や血管を刺激して、鼻炎や(けつ)(まく)(えん)などを発症させるアレルギー反応を起こすからと考えられています。そのほか、睡眠不足や不規則な生活による自律神経の乱れ、排気ガスに含まれる微粒子や中国大陸から飛来する(こう)()などの環境因子も考えられるため、注意が必要です。

鼻づまりのときは「(げい)(こう)」や「(いん)(どう)」のツボを指圧することで改善効果が期待できます。まずは「迎香」のツボを、人さし指や中指で鼻の中心に向かって5秒ほど押し上げてください。これを3~5回繰り返します。〝ズーン〟とした体感とともに鼻づまりが解消され、鼻の通りがよくなるでしょう。

もう1つのツボ「印堂」は、中指で額に向かって5秒ほど押し上げてください。これを3~5回繰り返します。指圧によって鼻周辺の神経や微小血管に影響を及ぼすため、鼻の通りがよくなります。

由来
【迎香】「迎」は迎える、「香」はにおいや香りを意味する。迎香のツボは、鼻(鼻翼)の両脇にある嗅覚の要。迎香を刺激することで鼻の通りがよくなり、嗅覚の回復とともに香りを鼻に迎え入れられることから、「迎香」と名づけられました

【印堂】「印」は印鑑、「堂」は広間の意味で、印堂では額(前頭骨)を指します。ヒンドゥー教徒(インドの既婚女性)が額につける印の場所であることから「印堂」と名づけられました。眉間は「第三の眼」と呼ばれる特別な場所として、直観力・判断力・洞察力などの物事を見極め、光を敏感に感じる場所とされています

効能
【迎香】嗅覚マヒ、上歯痛、三叉神経痛、顔面神経マヒ、肥厚性鼻炎、花粉症など

【印堂】頭痛、眼精疲労、花粉症、めまいなど