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三段論法と地誌的能力が問われる「駐車場問題」に挑戦!

Dr.朝田のブレインエクササイズ!

メモリークリニックお茶の水理事長 朝田 隆

街の中で外国人の姿を見かける機会が増えたように感じます。その理由の一つとして円安が挙げられますが、脳内では無意識のうちに「三段論法」を用いて答えにたどりついているはずです。今回は三段論法に地誌的能力を加えた問題です。あなたは正しい車を見つけられますか?

三段論法に必要な前頭前野と地誌的な能力に関わる頭頂葉を鍛える問題に挑戦

[あさだ・たかし]——筑波大学名誉教授。1982年、東京医科歯科大学医学部卒業。同大学神経科、山梨医科大学精神神経科講師、筑波大学精神神経科学教授などを経て現職。数々の認知症の実態調査に関わった経験をもとに、認知症の前段階からの予防・治療を提案している。著書に『その症状って、本当に認知症?』(法研)など多数。

少し恥ずかしい話ですが、私は慌てるとスーパーマーケットや駅で駐車した場所を思い出せず、駐車場の中を探し回ったことが何度もあります。さて、左の駐車場の問題に取り組んでみてください。文字や記号がごちゃごちゃと並び、見ただけでめんどうに感じるかもしれません。情報量の多さから勘違いやミスが起こりかねない問題ですが、地道に取り組んでいきましょう。問題を一つひとつこなし、最終的に正しい答えを得る工程を楽しんでください。

この問題は方向感覚、少し専門的にいえば「地誌的能力」が問われます。また、見方を変えれば三段論法や推論が課題となっている側面もあります。

三段論法は、前提を積み重ねていくことで結論を導き出す方法です。三段論法の例として有名なのが、「風が吹けば、おけ屋がもうかる」という文言です。風が吹けば砂が舞い上がる→砂が目に入って目が悪くなる人が増える→三味線(しゃみせん)を弾いて生計を立てる人が増える→三味線が売れる→三味線にはネコの皮が必要だからネコが捕獲されて減る→ネズミが増えておけがかじられる、だから風が吹けばおけ屋がもうかる、という話です。

今時の世相で三段論法を使うなら、「円安が進むと日本に外国人があふれる」かもしれません。円安で日本行きの航空チケットや滞在中の宿泊代、お土産代が安くなる→日本の観光がお得になり、日本各地に外国人があふれるという論法ですが、いかがでしょうか。三段論法は、このように理論のステップを踏んでいき、最後に正解に至るというものです。もちろん、今回の問題でも三段論法の考えが必要になります。

駐車場問題

答えは次ページです。

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