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変形性股関節症と併発しやすい腰・ひざの痛みを改善する冨澤式メソッド

股関節症を改善する富澤式温存療法
さいたま中央フットケア整体院院長 冨澤 敏夫

変形性股関節症と腰痛・ひざ痛には密接なつながりがある

[とみざわ・としお]

1969年生まれ。整体師を経て柔道整復師となる。20年以上の施術経験があり、足のトラブルを専門に「どこに行っても、何をしても解消しない症状」を改善させることを得意としている。全国から来院される患者数は年間2000名以上。足の痛みに関して、原因追究とその解決法を実践してきた足の痛み解消のスペシャリスト。

1つの関節が重視されている役割(主に可動性)を十分に果たせない場合、他の関節に影響が出るようになります。例えば、腰痛から股関節痛を発症してしまうケースや、ひざ痛から股関節痛を発症してしまうケースは少なくありません。体の各部位は連携して機能しているため、痛む部位に負担をかけないようにしていることで、他の部位に負担がかかってしまうことが原因と考えられます。

実際、変形性股関節症の患者さんにカウンセリングを行うと、ほとんどの方は「股関節が痛くなる前は腰痛に悩まされていた」といいます。「20~30代の頃にぎっくり腰で動けなくなったことがある」「慢性的な腰痛で病院や整体院に通院していた」などです。

腰痛には、腰自体が痛む場合と、お尻や太ももの裏側が痛む坐骨神経痛の場合があります。股関節の治療をしても痛みが引かない場合は、腰痛や坐骨神経痛を疑うことも大切です。

股関節痛の場合、足のつけ根や太ももの側面、お尻えくぼ(お尻に力を入れるとへこむところ)付近に症状が出るのが特徴です。一方、腰痛の場合、腰からお尻の上方付近に症状が出るのが特徴です。腰と骨盤の境目を親指で押してみて痛みが出るようなら腰痛と判断できます。また、坐骨神経痛の場合、お尻から太ももの側面や後ろ側、すね、ふくらはぎ、足先などに症状が出るのが特徴です。

ひざ痛の場合は、痛むほうのひざをかばうせいで反対側の足の股関節に負担がかかってしまうケースが多く見受けられます。例えば、右ひざが痛くて病院で治療を受けていた方が左股関節に痛みを覚えるようになるなどです。長年、右ひざの痛みのせいで右足に体重をかけられず、左足に体重をかけていたことが負担となり、変形性股関節症に移行していくと考えられます。特に、股関節の形状異常や脱臼の既往歴がある方は注意が必要です。

腰痛や坐骨神経痛の改善が期待できる運動&マッサージ法

腰痛の改善法

次に、腰痛や坐骨神経痛を改善する「腰痛の改善法」(図を参照)をご紹介しましょう。まず、あおむけに寝て両ひざをそろえて立てます。左右に倒してみてください。倒しやすいほうと倒しにくいほうがあるはずです。倒しにくいほうと反対側のわき腹とおなかの筋肉が硬く緊張しているため、手で押したりもんだりしてみてください。

何回か左右に倒してわき腹とおなかの筋肉のマッサージを繰り返すと、左右同じように倒せるようになります。そうすると、腰痛や坐骨神経痛、股関節痛が緩和されていきます。この改善法を試したからといって、股関節痛が悪化することはないのでご安心ください。

■長年ひざに問題のある変形性股関節症の方はひざ痛の改善も重要

ひざ痛の改善法

長年、ひざの痛みを抱えている方は、ひざの変形が多少なりとも起こっているものです。ひざが変形して伸ばすと痛いため、少し曲がった状態で歩くようになります。すると、ひざの裏の筋肉が硬くなってしまいます。そのような方はひざが痛むほうの足に体重がかけられないため、反対側の足に負担がかかって変形性股関節症を悪化させてしまうおそれがあります。ひざ痛を改善するには、私が指導する「ひざ痛の改善法」が有効です(図を参照)。

以前、股関節の痛みで当施設を訪れ、病院で手術の話が出て迷っている方がいました。股関節の動きには問題なく、歩いたり長く立ったりしていると股関節の周辺が痛くなるそうです。病院からも手術は急がなくてもいいのでしばらく様子を見ましょうといわれていました。その間になにかできることはないかと当施設に来られたのです。

そこで、私が股関節の動きを確認してみると、開いたり曲げたりしても動きには制限がなく良好でした。今度は腰の状態を見ながら腰と骨盤の境目を親指で押してみると圧痛があり、腰から来る痛みと判明。「腰痛の改善法」を行ったところ、股関節の痛みも軽減したのです。

股関節痛と腰痛、坐骨神経痛は症状が現れる部位が近いため、原因を特定しにくいという問題があります。一般の方が股関節痛と腰痛、坐骨神経痛を判別するのは難しいかもしれませんので、一度専門の先生に相談することをおすすめします。
 

この記事は「健康365」2019年7月号に掲載されています。