プレゼント

「鏡像」と「遠近法」の要素を組み込んだ「湖面の城クイズ」

Dr.朝田のブレインエクササイズ!

メモリークリニックお茶の水理事長 朝田 隆

湖や鏡に映ってできる有名な鏡像として、富士山を湖面に映し出す「逆さ富士」が知られています。水面を境に二つの富士山が重なるように、鏡像は線対称の図形として成立します。今月の問題は、鏡像の要素に遠近法の要素を組み込んだ新感覚のブレインエクササイズです。

「鏡像」と「遠近法」の二つの要素が脳の刺激になりまごついても有効

「逆さ富士」に代表される鏡像は、線対称の図形

今回は、ある風景と湖に映った像を正しく認識することができるかを問う問題です。湖に映った風景といえば「逆さ富士」の絵や写真を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

私自身は今回の問題を比較的簡単に感じたのですが、皆さんはいかがでしたか? この問題を解いている時、脳は二つの要素によって大きな刺激を受けています。脳を刺激する二つの要素とは、①鏡像、②遠近法による物体の拡大・縮小です。

鏡像は「元の像が線対称の位置に映ったもの」と定義できます。逆さ富士を例にすると、水面を境に二つ折りにした際に富士山が重なり合うという具合です。私たちの脳では「鏡は反対に映る」という意識があるため、元のままの図形をただ垂直に移動させると混乱してしまいます。

今回の問題では、鏡像と組み合わせている遠近法による拡大・縮小も、脳を刺激するうえで大きな役割を果たしています。出題にある湖に映った風景は、遠近法の技術を用いて描かれているため、手前の位置になるほど像が縦長に見えます。手前に描かれた絵は元と比べて縦の比率が長くなるので、一見した時に違和感を覚えてしまうかもしれませんね。一方で、実像と鏡像の境目にあたる岸から近い部分は縦の比率がほぼ同じなので、鏡像が実像と同じように自然に見えることでしょう。

湖面の城クイズ

お城のある風景が湖に映っています。湖に映った像の中で、誤りのある部分はいくつあるでしょうか?

答えは次ページです。

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