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その12:健康情報のウソ・マコト「弁当は外食より体に優しい?」

大野秀隆先生の「長寿の哲学」

理学博士 大野 秀隆

[おおの・ひでたか]——1930年、東京都生まれ。1953年、東京薬科大学卒業。東京大学医学部薬学科薬品分析化学教室で研究を重ねる。薬剤師。理学博士。画期的な発想から開発した悪臭対策エキス(OS液)が国内外のメディアで「消臭革命」として報道される。以後も研究を重ね、あらゆる世代を対象とした悪臭問題の解決に取り組んでいる。

健康を考えて作られた弁当はよいものです。以前、栄養管理がゆき届いた給食を提供している企業の食堂で、お弁当を広げている女性と話をしたことがあります。彼女は食べ物の好き嫌いが多く、会社から支給される給食がどうしても食べられないとのことでした。そんな彼女は2日に1回は自宅で作った弁当を持参していたのですが、弁当箱に詰められるおかずは、自分が食べられるものだけ。栄養面の偏りがあることは明らかでしたが、彼女はその食生活を努力して変えようとはしませんでした。

最近では、勤務先に弁当を持参する人が増えているそうです。私たちは外食する際、限られた予算の中で好きなものだけを選ぶ傾向があるので、栄養が偏りがちになります。その点、弁当は、自分で作るときはもちろん、作ってくれる家族からの健康への思いが込められています。毎日の健康作りに弁当を活用したいものです。

もちろん、弁当が外食より無条件に優れているというわけではありません。先の女性のように、自分が好きな物だけを詰め込んだ弁当を食べつづけると、外食よりも体調を崩しやすいかもしれません。良質な食材が用いられて栄養面にも優れた食事を外食でとるには、費用面で大きな負担となります。そこで私は弁当をすすめたいのですが、栄養面を考える気持ちがなければ、やはりマイナスです。弁当はなぜ健康作りに役立つのか——その本質を理解することが大切です。