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その1:健康とは、明るく、そして常に前向きなもの

大野秀隆先生の「長寿の哲学」

理学博士 大野 秀隆

[おおの・ひでたか]——1930年、東京都生まれ。1953年、東京薬科大学卒業。東京大学医学部薬学科薬品分析化学教室で研究を重ねる。薬剤師。理学博士。画期的な発想から開発した悪臭対策エキス(OS液)が国内外のメディアで「消臭革命」として報道される。以後も研究を重ね、あらゆる世代を対象とした悪臭問題の解決に取り組んでいる。

私たちはこの世に生を受けて出てきました。生まれたことは偶然であったかもしれませんが、生まれてこの世に暮らしていることは、まぎれもない事実です。せっかくいただいた命です。この命を大切にし、続く限り、人生を有意義に過ごしたいものです。

ある目標を立て、日夜働き、それが達成されたとき、さらには社会の役に立ったとき、私たちは例えようもない喜びを感じます。その満足と喜びが原動力となり、次の活動が始まります。それが人生です。

人生を全うするためには、何よりも健康が大切です。健康とは、明るく、そして常に前向きなものであるべきです。病気にならないように細々と一生を過ごすのは、意味がないと思います。健康とは、それぞれの人が、それぞれの人生における目的や目標を達成させるために欠かせない、心身の状態が保たれた状態のことです。

昭和初期まで、日本人の平均寿命は男女ともに50歳以下でした。いまはともに80歳以上となりました。なぜ平均寿命が延びたのでしょうか。それは、若くして亡くなる人が激減したからです。

若くして亡くなる人が激減した大きな理由は3つあります。乳児期・結核・急性感染症による死亡率の低下です。死亡年齢が高くなると、高齢者人口が増加します。現在、我が国では65歳以上の人が人口の4分の1以上を占めています。

高齢社会を待ち受けるもの。それは、寝たきりや認知症の高齢者が増えることです。老年期の認知症は増加しており、今後の日本では、「恍惚の人」で描かれた悲劇がどの家庭でも起こる可能性があります。認知症は糖尿病と同じくらいに一般的な病気となるでしょう。

日本は世界的な長寿国といわれますが、本当の意味で健康的に優れた国といえるでしょうか。受療率は増加し、高齢者は半健康人ばかり。たとえ長生きできても、寝たきりや認知症になるのはつらいものです。

長寿と長命は違います。長寿とは、健康で長生きすること。中高年が集まる席で話題になるのは、健康問題や健康法ばかりです。巷には健康に関する情報が氾濫しています。健康になりたいからといって、数々の健康法に飛びつく人がいますが、実にナンセンスです。世の中にはつまらない情報もあふれています。大切なのは情報の数ではなく質なのです。