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よく寝て、よく食べて、 よく笑う、子どものような 生活が健康の秘訣です!

私の元気の秘訣
女優 羽田 美智子さん

エランドール賞新人賞や日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞し、映画やテレビドラマ、CMなどで大活躍する女優の羽田美智子さん。デビューから30周年を迎え、講演や執筆活動にも注力するなど活躍の場をますます広げています。そんな羽田さんに、日常生活で意識していることを伺いました。

偶然見てもらった占い師のひと言で芸能界入りを決断しました

[はだ・みちこ]

1968年、茨城県生まれ。1988年にデビュー。1994年、映画『RAMPO』でヒロイン役を演じ、エランドール賞新人賞、第18回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。1995年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。以来、数多くのテレビドラマや映画、CMなどで活躍。著書に『私のしあわせ京都あるき』(集英社)、『羽田美智子が見つけた 沖縄 すてき、ひとめぐり。』(光文社)などがある。

短大時代、周りの友人が次々と進路を決めていく中、私は自分の将来を決められずにいました。そんなとき、友だちに誘われてたまたま見てもらった占い師から「芸能界に入りなさい」といわれたんです。そのひと言に、なぜか妙に納得したんですよね。すぐにテレビドラマなどのオーディションを受けると、幸運にも旅行会社のキャンペーンガールに選ばれました。こうして私は占い師の言葉どおり、芸能界に入ることになりました。

いざ芸能界に入ってみると、とにかく多忙な毎日でした。セリフを覚えたり演技をしたりと、これまで経験したことがないことだらけ。忙しいだけでなく、指導も厳しくてストレスがたまり、もう芸能界を辞めたいと思ったことも1度や2度ではありません。

辞めたいと思ったときは「なぜ自分はこの仕事をしているんだろう」と考えるようにしていました。そして、しだいにその答えが分かるようになってきました。

まず「仕事を通じて多くの人に出会いたい」という思いです。多くの人と出会うことで、私は元気をもらえたり、成長できたりするからです。

さらに「映画やテレビドラマ、本などを通じて多くの人に元気になってもらいたい」という思いもあります。私は気持ちが落ち込んだときや嫌なことがあったとき、映画を見たり、本を読んだりして心をリセットすることで元気になれるんです。芸能人であれば、元気を与えられる側だけではなく、与える側にもなれると思いました。

歌にも同じように、人を元気にする力がありますよね。私が出演させていただいた映画『この道』は、無限の可能性を秘めている歌をテーマにした物語です。

北原白秋の姉的存在である与謝野晶子を演じる羽田さん
(写真提供:2019映画『この道』製作委員会)

いまから100年ほど前、当時の日本は度重なる戦争や関東大震災で壊滅的な被害を受け、人々は心身ともに傷を負って希望を失っていました。そんなとき、失意のどん底にいる人たちを元気づけようと、2人の青年が立ち上がります。映画のタイトルでもある童謡『この道』の作詩家・北原白秋と音楽家・山田耕筰です。最初こそ才能がぶつかりあって反目した2人でしたが、その後は手を取り合って数々の童謡を世に出していきます。

私が演じたのは「情熱の歌人」といわれた女流作家・与謝野晶子です。与謝野晶子は、北原白秋を弟のようにかわいがっていました。その他、映画には石川啄木や高村光太郎といった、現代歌謡曲の礎を築いた著名な詩人や歌人が数多く登場しています。私たちがいまあたりまえに聞いている童謡がどのように誕生したのか――その歴史を知ることができる作品です。

私は、幼い頃は病気知らずで過ごしていました。でも、芸能界に入ってからしばらくすると、カゼを引くようになって、どうにも体調がおかしくなっていました。仕事で多忙を極め、睡眠不足や不規則な生活習慣がたたったのだと思いますが、いちばんの原因は「食」をおろそかにしたからだと痛感しています。実家で暮らしているときは、食事は母親の手料理でした。ところが、芸能界に入ってからは実家を出たこともあり、ほぼ外食。お弁当などがほとんどで、手の込んだ手料理を食べることはめっきり減っていました。

このままではいけないと痛感し、自分で料理を作るようにしました。そうはいっても、なんてことはない、普通の家庭料理です。白いご飯におみそ汁、お漬物、焼き魚など、母親が幼い頃に毎日作ってくれた和食中心の思い出の味です。

自分で料理を作るようになってから、あらためて感じたことがあります。それは、幼い頃の環境がいかに健康的だったかということです。手料理には栄養はもちろんですが、子どもがすくすく育ってほしいという母親の愛情もたっぷりこめられています。母親の愛情は、食を通じて子どもの私に伝わり、心身を健やかに育んでくれたのだと思っています。

また、私は外で体を動かすことが大好きな子どもだったので、2人の兄といっしょに、野球やソフトボール、水泳などに明け暮れ、クタクタになっていました。そのため、毎日ぐっすりと眠って、しっかり睡眠も取れていました。

病気知らずだった頃の生活に近づけようと、最近では運動も積極的に行うようにしています。ただ、ジムなどに通うとなると時間も含めて準備が大変なので、ラジオ体操やヨガ、腕立て伏せや腹筋、体幹トレーニングなどを自宅で自分のペースで行っています。運動はなるべく週5日以上、1日20~30分ほど続けるようにしています。実際、2年ほど続けたら、以前よりも体が軽くなって丈夫になりました。

食事のときは正座をして合掌。食べると体に声をかけ30回はかみます

年に1~2回の定期健診を受けるほか、月に1回はかかりつけ医に血圧などを測定してもらい、健康に関してアドバイスしてもらっています。先生いわく「健康の基本は、よく寝て、よく食べて、よく笑うこと」。まさに私の幼い頃の生活スタイルそのものなんです。

食べるさいによくかむことが大事だと、先生は教えてくれました。多くの人は15回程度で飲み込んでしまっているそうですが、私は意識して30回かむようにしています。また、50歳を超えたら、腹八分目ではなく、六分目を意識するとよいそうです。このように、あたりまえのことを常に意識して取り組むことが大事だと教えてくださいました。

皆さんはどうですか。食事を無意識に食べていませんか。無意識だと、かむ回数だけでなく、姿勢もいいかげんになってしまうことが多いようです。私の場合は、まず正座をして合掌。次に「いまから食事をします!」と毎回体に声をかけてから、食事をいただくようにしています。

すると、姿勢も自然とよくなりますし、食べられることへの感謝の気持ちも湧いてきます。日常生活のちょっとした工夫でも、毎日の積み重ねが健康につながるのだと思います。ぜひ、皆さんも実践してみてください。
 

この記事は「健康365」2019年2月号に掲載されています。