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子どもたちも苦しんでいる むずむず脚。学校の先生に この事実を知ってほしい。

患者さんインタビュー
飯塚 慎司さん

[いいづか・しんじ]

1962年、北海道生まれ。子どもの頃から睡眠時の不快感に悩まされていたが、「誰でもあること」と思いながら大人になる。結婚後、自身の症状がむずむず脚症候群によるものと診断される。2005年頃から、むずむず脚症候群に関する情報を発信。現在はfacebookを中心に活動中。

前回のコラムで書いた、私自身のむずむず脚症候群の経験の中でも、今回は子どもの頃を振り返って書いてみたいと思います。むずむず脚症候群について、特に学校の先生たちに少しでも知っていただければと思っています。

私自身が初めてむずむず感に襲われたのは、小学校低学年のときだったと思います。当時私は、母の隣に布団を敷いて寝ていました。夜中にむずむずしだすと、母の布団の下に脚を入れてバタバタしていたのをよく覚えています。重い布団による圧迫感と冷たい畳に脚が触れることで、むずむず感の症状が和らぐのです。これがいちばん古い記憶です。むずむず感は毎日あるわけではなく、季節によって異なります。確か、冬場によく襲われた記憶があります。

学校に行っている昼間にも、嫌な感覚が生じていたように記憶しています。通信簿にはいつも、「飯塚くんは普通に勉強するし、先生のいうこともよく聞きます。ただ、授業中にじっとしていられません。すぐ隣の子に話しかけるなど、落ち着きがありません」といったことが卒業するまで毎回書かれていました。1年生のときにはおしゃべりを止められず、担任の先生にビンタされたことも覚えています。いまの時代であれば、学校から発達障害ではないかと疑われていたことでしょう。

不思議なことに、楽しく勉強しているときにむずむず感はやってきません。つまらない時間を過ごしていると、静かにしていられなくなるのです。自分でも分かっているので、絵を描いたり、紙で工作をしたり、隣の子に話しかけたり、なにか別に集中できることを探していました。実際に、ADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されている子どもの中には、むずむず脚症候群が誤診されているケースもあるという研究報告があります。夜に十分な睡眠を取れていないので、昼に落ち着きがなくなるのだそうです。

あるいは、ADHDの子どもは、むずむず脚症候群の罹患率が高いという研究報告もあります。どちらも、ドーパミン(神経伝達物質の1つ)に関する問題を抱えている可能性があるという点で共通しますから、もしかしたらADHDとむずむず脚症候群には密接な関係があるのかもしれません。

お子さんが夜中に起き出して、「体がむくんで寝られない」「ジーンとする」「なんだか暑い」「不快」などと口にした場合は要注意です。脚、あるいは体をさすると眠れるというお子さんも、むずむず脚症候群を疑ったほうがいいと思います。寝相を見て、脚を何度もピクピク動かしているお子さんにも注意が必要です。むずむず脚症候群と関連性の高い、周期性四肢運動障害の疑いがあります。いずれにしろ、このようなお子さんは、十分な睡眠を取れていない可能性があるのです。

学校の先生たちは、ひどく集中力を欠いたり、落ち着きのない子がいたら、睡眠をちゃんと取れているかどうか、聞いていただければと思います。親御さんも、お子さん自身も、脚にむずむず感があって眠りが妨げられていることは気づきにくいので、見つけるのは難しいかもしれません。子どもを対象にした、むずむず脚症候群の簡易な診断方法があればいいと思っています。

次回は、むずむず脚症候群にどのように対処すればいいのか、伝えられていることをいくつかご紹介しようと思います。
 

この記事は「健康365」2019年2月号に掲載されています。