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ハーバード大学の研究から生まれた葉山式栄養療法で難治の眼病に挑む!

眼科

葉山生命科学研究所所長 葉山 隆一

[はやま・りゅういち]——1975年、新潟大学医学部卒業。大学附属病院医長の後、1985年に米国留学。愛和病院副院長を経て、葉山眼科クリニックを開院。2020年8月から、養明堂眼科医院で診察をしながら葉山生命科学研究所所長として研究活動も行う。著書に『医者がお手上げだった目の病気の次世代栄養素』(メタモル出版)など。

眼科医として40年以上のキャリアを持つ私にとって大きな転換点となったのが、30代の時に留学した米国ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学での経験です。今も昔も米国の医療技術は日本より大幅に発展しているのが実情です。おかげで、当時は最先端だったMRI(磁気共鳴断層撮影装置)の研究に日本人としていち早く触れることができました。米国の自由闊達(かったつ)な研究・臨床現場で新しい知識を得るたびに、私は日本の医療の未熟さを痛切に感じていました。

米国留学時代に得た最も大きな知識の一つが、眼科領域の治療における「栄養補充」の視点でした。名門・ハーバード大学で機能性素材として注目を集めていたルテインの研究チームに参加することになった私は、ルテインに秘められた高い機能性に魅了されるようになりました。

当時、私が高い関心を寄せたルテインは、カロテノイドという栄養素の一種で、優れた抗酸化作用を発揮する黄色の天然色素です。ルテインは、目の網膜(もうまく)の中心部にある黄斑部(おうはんぶ)にも存在する物質ですが、体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。

当時、日本の眼科では、視力が低下した患者さんには眼鏡(めがね)をすすめ、緑内障や白内障などの眼病には進行を抑える点眼薬を処方する治療が主流でした。ところが、私が米国で見た眼科の光景は、日本の医療機関とはまるで異なるものでした。米国の眼科医は患者さんたちに、それぞれの疾患に合った適切な栄養素を補充していたのです。目の栄養療法と呼べるその光景は新鮮かつ斬新で、なによりも驚いたのは、米国式の栄養療法がさまざまな眼病に対して明確な結果を出していることでした。

ハーバード大で学んだ栄養補充療法で母の黄斑変性が改善し独自の栄養療法を確立

講演などを含めると、40年間で50万人以上が実践したとされる葉山式栄養療法。その多くが効果を実践していると葉山医師は話す

眼科領域の知識をひと通り学んでいると自負していた私にとって、留学時代の経験は衝撃的でした。同時に、私の知識では最先端を走る米国の眼科学にまったく歯が立たないことも痛感しました。悔しさに震えた私は、一念発起して眼科学を猛勉強しました。その結果、米国内でも経験豊富な眼科医として知られ、高い評価をいただけるようになりました。以後も新しく出合った医療知識を吸収し、一人でも多くの患者さんを救うために米国で得た知識を日本国内で生かしていました。

当時の私は、年に何度も日本と米国を往復する暮らしをしていましたが、眼科医として大きな節目となったのが、「埼玉県内で眼科を開院してほしい」と声がかかったことがきっかけでした。いったん引き受けはしたものの、数年後には院長のイスをほかの医師に譲り、再び研究者としての道に戻るつもりだったのです。そんな時に来院したのが私の母でした。

当時の母の心境として、医師として働く私の姿を見たかったのか、それとも経験を積ませたかったのか、今となっては分かりません。クリニックに現れて、「おまえに私の目を()てもらいたい」といった母の表情はそれほど悲観的なものではなかったと記憶しています。母はもともと左目の視力が低いことを知っていた私は、軽い気持ちで診察に応じました。

しかし、まさかの結果でした。母が患っていたのは、難治の眼病として知られる加齢性黄斑変性(以下、黄斑変性と略す)だったのです。当時の日本では、黄斑変性は対処法のない疾患といわれていました。多くの医師にとって黄斑変性の患者さんには打つ手がなく、悪化するのを見守るしか方法がなかったのです。大切な母が難病に冒されていることに気づかず、さらに治療もできないという現実を知った私は、目の前が真っ暗になりました。

母を救いたい——悩み苦しんでいた時にひらめいたのが、ハーバード大学で知識を蓄えた栄養補充療法でした。それぞれの眼病に合った栄養素を適切に補充するハーバード式の栄養療法で、母の黄斑変性も改善が期待できるのではないかと考えたのです。

米国への留学、埼玉での開院、母の治療という三点がつながった時、私は日本での眼病治療に米国式の栄養補充療法を導入する宿命を感じました。以来、私の治療は栄養補充療法が中心となり、患者さんに向き合うようになりました。その決意を後押しするかのように、私が開発したルテインの健康食品を使用した母は、0.001以下で失明寸前だった左目の視力が0.009まで改善したのです。

眼科医としてこれまで私が診察した患者さんの数は、おそらく数万人に上ると思います。患者さんの中には、通常の治療では改善が難しいとされる眼病を、私の栄養療法で改善に導いたケースも少なくありません。

日本と米国で多くの治療経験を積んだ私がいえることは、「目の健康維持には適切な栄養補充が効果的で、優れた健康食品を活用することが望ましい」という事実です。中高年に起こりやすい「目の五大疾患(緑内障・黄斑変性・糖尿病性網膜症・白内障・老眼)」の対策として最もふさわしい栄養素をご紹介します。それぞれの栄養素は、私が眼科医として40年以上にわたって研究を重ねた〝最終結論〟といっても過言ではありません。