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骨粗鬆症の予防に最適と整復師が考案! 1日1分1動作で骨強化[かんたん骨(こつ)体操]

整形外科

アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長 高林 孝光

大腿骨・腰・ひざの健康状態は生活の質を維持するために重要で「BLB」の考えを提唱

[たかばやし・たかみつ]——1978年、東京都生まれ。鍼灸師・柔道整復師。「痛みには必ず原因がある」という治療理念のもと、子どもから青少年、高齢者まで延べ10万人以上を施術。バレーボールのJOCジュニアオリンピックカップ東京代表トレーナー、車椅子ソフトボール日本代表のチーフトレーナーを務めるなど、スポーツ領域の治療実績も豊富。雪印メグミルク「骨ちょっといい話 5秒×2セットで、毎日骨コツ!! かんたん骨体操」の考案・指導を行っている。

私が院長を務めるアスリートゴリラ(しん)(きゅう)接骨院は、東京都足立(あだち)区にあります。私のもとにはお子さんから青少年、ご高齢の方に至るまで、世代に関係なく患者さんが来院されています。

ひざや股関節(こかんせつ)など、変形性関節症を発症した患者さんにとって何よりもつらいのが「痛み」です。医療機関の中には、痛みを訴える患者さんに対して鎮痛剤や湿布薬を処方するだけで、根本的な解決を目指す姿勢で臨んでいないと見受けられる場合もあります。私はかつて、恩師といえる整形外科医から受けた「医学の常識はくつがえることがある。常に新しい手法を模索して検証することが大切」という教えを今も大切に実践しています。そのため、私の鍼灸接骨院では痛みの部位だけを()ることはありません。全身の骨や筋肉の動きとバランスを見ながら、痛みを引き起こしている原因を突き止めるようにしています。この視点から生まれた施術は「超時短テク」と呼ばれ、高い評価をいただいています。

痛みを短期間で改善に導く独自のメソッドを考案する一方で、変形性関節症の悪化や発症を防ぐ予防策の提案も積極的に行っています。中でも中高年世代には「骨」の健康維持を図る生活習慣や運動法をすすめています。

骨は私たちの全身を支える重要な役割を担っています。高齢者に多い大腿骨(だいたいこつ)腰椎(ようつい)、ひざ関節の骨折は、適切な処置を誤ると寝たきりになってしまうおそれもあります。実際に、高齢者が要支援・要介護になった原因の多くは運動器障害が占めています。ほかに、骨の中心部にある骨髄(こつずい)の造血細胞からは、赤血球や白血球、(けっ)(しょう)(ばん)が作られています。さらに、骨は全身のカルシウムを蓄える役割もあります。

私たちにとって大切な骨は、新陳代謝によって古い骨が壊され(骨吸収)、新しい骨が造られます(骨形成)。しかしながら、加齢とともに骨を造る骨形成の力が低下するため、全身の骨が徐々に弱くなっていくのです。

先に挙げたように、骨の老化は部位によっては寝たきりを招き、生活の質を著しく下げてしまいます。血液の健康にも影響する骨の大切さを知っていただくために、私は「BLB(ボーン・ライフ・バランス)」という造語を考えて普及に努めています。

高林院長が患者さんに行う「超時短テク」は世代を問わず大評判!

中高年の方がBLBを高めるために意識していただきたいのが食事と運動です。食事は、カルシウムが多く含まれる小魚をはじめ、ヨーグルトやチーズといった乳製品、納豆・豆腐・厚揚げなどの大豆製品を積極的にとることをおすすめしています。最近の話題としては、牛乳に含まれる「MBP(ミルクベーシックプロテイン)」という希少なたんぱく質が、骨吸収と骨形成のバランスを調整することが分かり注目を集めています。

骨は適度な負荷をかけることで細胞が活性化します。さらに、適切な負荷によって骨にカルシウムが沈着しやすくなることも分かっています。運動は筋肉の強化や柔軟性の維持にも役立つので、中高年世代は「骨に適度な負荷がかかる」運動に取り組んでいただきたいと思います。

私は患者さんから「適度な負荷の程度が分からない」という質問をよく受けます。一人ひとりの体質や骨・筋肉の状態によって異なるので、迷われるのも無理はありません。そこで私は、多くの方に共通して取り組んでいただける「かんたん(こつ)体操」を考案しました。この体操は、主に腰・大腿骨・ひざに適度な負荷がかかるようになっています。毎日少しずつ適度に負荷をかけることで骨の新陳代謝が調整されるため、骨折予防に役立ちます。まずは無理のない程度から始め、物足りなさを感じたら回数を増やすなど、負荷を調整するといいでしょう。

公益財団法人骨粗鬆症財団の報告によると、散歩の習慣がある高齢者は、背中がよく伸びて骨も強いことが分かっています。また、運動を習慣化することで骨の強化のみならず、ひざがよく伸びるようになります。脚力も強くなるため、転倒しにくくなるのです。

「かんたん骨体操」は、骨密度や骨質の低下を指摘されている方をはじめ、運動が苦手だけど骨を強くしたい方、更年期前後の女性で骨の強さを維持したい方などにおすすめできます。変形性関節症と診断されて治療を受けている方は、主治医と相談しながら無理のない範囲から始めてみましょう。