総合リハビリ施設「Studio&Cafe BALENA」理学療法士 山下 侑哉
脊柱管狭窄症は背骨の可動域が狭いため屈曲・伸展・側屈・回旋のストレッチが大切

私が所属する総合リハビリ施設「BALENA」(神奈川県横浜市青葉区)は、食と運動に特化した半日型デイサービスの事業を行っています。私たちの施設では、高齢者向けに講演会を開催する機会が毎年100回ほどあります。多くの方から寄せられる声の中で、「腰痛」「足の痛み・しびれ」に悩んでいる方は多いと感じています。施設の利用者70名のうち、腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症と略す)と診断名がついている人は1割以下ですが、半数以上の人は脊柱管狭窄症の予備群で腰痛や足の痛み・しびれに悩まれています。
私は理学療法士として、腰痛や足の痛み・しびれを訴える方方の施術に携わっています。多くの方の腰や背骨を確認した経験から、脊柱管狭窄症やその予備群である人は「背骨の可動域(関節を動かすことのできる範囲)が狭い」と感じています。脊柱管狭窄症は腰椎の脊柱管が狭くなって内部にある神経が圧迫されて起こりますが、背骨の可動域が狭くなっている人の割合は、5割以上といっても過言ではありません。
背骨の可動域は「屈曲(体を前に曲げる)」「伸展(体を反らす)」「側屈(体を左右に曲げる)」「回旋(体を左右にねじる)」の四つに分類することができます。それぞれの可動域を広げることで背骨のずれが正しい位置に戻り、神経の圧迫が軽快します。その結果、腰痛や足の痛み・しびれが軽快するのです。
脊柱管狭窄症は多くの場合、前かがみになると症状が和らぎ、体を反らすと症状が出ます。しかし、背骨が横や斜めにずれている場合があり、脊柱管の状態によっては前かがみの姿勢でも症状が起こる方もいます。脊柱管の状態は十人十色ではあるのですが、背骨のずれを正すと症状が緩和するため、背骨の可動域を広げることが非常に重要です。
今回は、背骨の可動域を広くしてずれを正す「BALENA式ストレッチ」を三つご紹介します。ストレッチは実践する時間帯が重要で、朝と就寝前に一セットずつ行うことをおすすめしています。朝にストレッチを行うと、体が整った状態で日中を過ごすことができます。さらに、日中の活動で崩れた体のバランスを就寝前のストレッチで整えることで、睡眠の質を維持しながら翌朝を迎えられるのです。この習慣が身につくと、少しずつ体が正しい状態に戻っていくことが実感できるようになります。腰痛や足の痛み・しびれも緩和されていくでしょう。
脊柱管狭窄症の初期であれば、ストレッチを続けることで腰痛や足の痛み・しびれのない日常生活を取り戻せます。「BALENA式ストレッチ」を実践しながら、定期的に理学療法士の指導を受けたり、整形外科の医師に背骨の状態を診てもらったりすることも重要です。


