365調査隊
日常生活や仕事の情報伝達のために役立っている電磁波。私たちの生活に欠かせない電磁波は、目に見えないだけで体に悪影響を与えているといううわさが……。そんな電磁波に関するウソ・ホントについて、調査隊が真相に迫ります。
電磁波過敏症は報告されるが調査不十分
携帯電話が身近な存在になりはじめた頃から、いっそう顕著になった感がある「電磁波は体に悪い」という説。それでも携帯電話は私たちの生活になくてはならないものであり、ほかにもテレビや電子レンジ、冷蔵庫など、電磁波を発する家電は枚挙にいとまがありません。
そもそも、電磁波が体に悪いというのはほんとうなのでしょうか? 丸山アレルギークリニック院長の丸山修寛先生に聞いてみました。
「電子機器から出る電磁波が人体に悪影響を与えているのは事実です。人体はごく微弱な生体電気で動いており、電磁波がそこに影響を及ぼすことで、がんやアトピー、ぜんそく、糖尿病、片頭痛など、さまざまな症状が現れるのです。特にスマートフォンの電波が5Gに移行してからは、その影響はより大きくなったといえるでしょう」
ただし、電磁波に対する耐性には個人差があると丸山先生は続けます。
「人体もまた、それぞれ電磁波を発しています。それが外部からの電磁波に対してバリアーの役割を果たしていますが、人によって発する電磁波の量に差があるため、おのずと耐性にも個人差が生じるわけです」
なお、過剰に電磁波の影響を受けやすい「電磁波過敏症」という症状も報告されていますが、WHO(世界保健機関)はこの症例を正式には認めていません。一体なぜなのでしょうか?
「国際的な統一基準がないことと、まだ十分な疫学調査が実施されていないことが理由でしょう。ただ、私のクリニックには、電磁波が原因と思われる不調を訴える患者さんが、これまでに1万人以上も来院しています。これは電磁波対策を行うことで明らかに症状が治まった事例でもあり、電磁波が体に悪影響を与えている十分な証拠といえるでしょう。あらゆる不調や病気の影には、電磁波の影響があります。原因不明の病気や症状に悩まされている人は、電磁波の影響を疑ってみてください」
丸山先生によると、試しにブレーカーを落としてみるだけでも、体がらくになる体感が得られる人もいるのだそう。
こうなると、たくさんの家電に囲まれて生活するのが不安に思えてきますが……。個人でできる対策はないのでしょうか。
「携帯電話や充電器を寝室に置かないとか、電熱線を敷く床暖房やソーラー発電機の設置を避けるなど、できる範囲で行ってみてください。時折、裸足で土の上に立って、アースのように放電するのもいいですね」
すぐに家電を手放せなくても、こうした対策は意識しておいたほうがいいでしょう。